大森健二

大森健二：豪快なレースでファンを魅了した艇界のレジェンド

大森健二（おおもり けんじ）は、1947年9月15日、岡山県に生まれました。1964年に競艇選手としてデビューして以来、その重量級の体格からは想像もつかないほどの、果敢なインコースからの攻めと、豪快なツケマイで多くのファンを魅了しました。

記録を打ち立てた1993年

特に1993年は、大森選手にとって非常に調子の良い年でした。年間で26回もの優出を果たし、当時の年間最多優出記録を樹立しました。重量級選手として、ランナー戦を走ることが多かった大森選手ですが、本人は「実はランナー戦はあまり好きではなかった。ハイドロで活躍したかった」と語っています。しかし、ランナー戦で培った全速ターンをハイドロにも取り入れたことで、スピードで他の選手を圧倒しました。

岡山ヤング会

ハイドロでの活躍を強く望むようになった背景には、岡山の同僚たちの存在がありました。若手時代には、村上一行、黒明良光、林通らと共に「岡山ヤング会」を結成し、櫃石島で泊まり込みのキャンプなどを行い、切磋琢磨しました。彼らがSGで優勝する姿を見て、「自分も負けていられない」という思いを強く抱いていたと言います。

悲願のSG制覇

その強い思いが実を結んだのが、1994年の下関・中国地区選での優勝でした。このレースで最高のプロペラが完成したことで自信を深め、第29回総理大臣杯競走（平和島）に参戦しました。優勝戦では、中道善博選手がインからコンマ08のスタートで先手を奪いましたが、大森選手は2コースから得意の全速ターンを決め、見事勝利を掴みました。本人曰く全速とは思わなかったそうですが、松田雅文選手の差しも寄せ付けず、悲願のSG制覇を達成しました。この勝利を「やっと友達と同じ立場に立てた」と振り返り、選手生活で最も充実した時期だったと語っています。

最後のGIタイトル

2004年には、第5回競艇名人戦競走（住之江）で3号艇2コースからまくりを決め、原田順一、林貢、桑原淳一らを抑えて最後のGIタイトルを獲得しました。これが結果的に最後の優勝ともなり、2006年4月6日の丸亀一般戦「日本モーターボート選手会会長杯」で、長岡茂一、西島義則両選手と共に優出（5号艇3コース進入から4着）したのが最後の優出となりました。同年4月29日の浜名湖一般戦「みどりの日スペシャル ネイチャーアタック」3日目6Rで、5号艇ながらインから逃げ切り、通算2729勝目を挙げました。これが最後の勝利となりました。2007年5月6日の丸亀一般戦「蓬莱杯争奪GW大賞」4日目11Rスマイル選抜が最後の出走となり、同年引退しました。

主な獲得タイトル

1973年 - 桐生開設17周年記念競走
1976年 - 浜名湖開設23周年記念競走
1994年 - 第29回総理大臣杯競走（平和島）
1994年 - 中国地区選手権競走（下関）
* 2004年 - 第5回競艇名人戦競走（住之江）

大森健二は、その豪快なレーススタイルと、数々の記録で、競艇界に大きな足跡を残しました。彼のレースは、多くのファンを魅了し、今もなお語り継がれています。

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