大江磐代

大江磐代（おおえ いわしろ）

大江磐代（1744年 - 1813年）は、江戸時代後期の女性で、閑院宮典仁親王の女房であり、光格天皇の生母として知られています。明治天皇にとっては高祖母にあたります。院号は蓮上院。

生涯

大江磐代は延享元（1744）年に、伯耆国倉吉（現在の鳥取県倉吉市湊町）で生まれました。父は鳥取藩の家老荒尾氏の家臣である岩室宗賢、母は鉄問屋の娘おりんでした。幼名は「おつる」といいます。

9歳の時、父・宗賢が浪人となり、町医者として京に上ります。磐代はその後、櫛笥家の養女となるなど様々な経緯を経て、十代の頃には橘姓を名乗り、「大江留子」として籌宮成子内親王に仕えました。

成子内親王が閑院宮典仁親王に嫁ぐと、磐代も親王の女房となり「磐代」と名を改めます。親王の寵愛を受け、三人の皇子をもうけました。その長男である師仁親王は、後に後桃園天皇の第一皇女・欣子内親王を中宮に迎え、光格天皇として即位しました。天皇の生母としては、当時の身分としては異例の低さでした。

典仁親王の没後、磐代は出家して蓮上院と号し、次男である盈仁入道親王のもとで暮らしました。盈仁入道親王は聖護院門跡宮家を継いでいました。父・岩室宗賢もその縁で家臣に取り立てられ、法橋の位を与えられています。

文化9年（1812年）に69歳で亡くなり、廬山寺に葬られました。明治11年（1878年）には正四位、明治35年（1902年）には従一位を追贈されています。

系譜

父：岩室宗賢
母：おりん
夫：閑院宮典仁親王
長男：光格天皇

参考文献

『倉吉町誌 皇紀記念』倉吉町、1941年。
新日本海新聞社鳥取県大百科事典編集委員会編『鳥取県大百科事典』新日本海新聞社、1984年。

関連項目

* 大江神社 (倉吉市))

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