大津首

大津首の生涯と業績

大津首（おおつ の おびと）は、奈良時代の日本において重要な役割を担った貴族であり、陰陽師、漢詩人として名を馳せました。彼の名前は意毘登とも記され、僧名は義法、姓は連に由来しています。また、彼の位階は従五位上とされていました。

初期の経歴

大津首は出家し、義法という名の学問僧として新羅に留学していました。この期間に彼は深い学問を得て、文武朝末の慶雲4年（707年）には、新羅大使の美努浄麻呂に伴われて帰国することになります。この際、彼と共に帰国したのは義基、惣集、慈定、浄達などの著名な人物たちでした。

帰国後の和銅7年（714年）、彼は占術に関する優れた才能を認められ還俗し、「大津連」の姓と「意毘登」の名を賜りました。この時、彼は従五位下に叙爵され、名実ともに貴族としての地位を確立しました。

陰陽師としての評価

養老5年（721年）には、元正天皇が百官の中で学業に優れ、模範となる者に特別の褒賞を与える取り計らいを実施。大津首は、津守通らと共に陰陽に秀でたことが評価され、絁10疋、絹糸10絇、麻布20端、鍬20口のご褒美を受けることになります。この頃、彼は従五位上の位階にあり、優れた学識を有する人物として認められていました。

その後、天平2年（730年）には、年老いた諸博士の後を継ぎ、学問を後進に教える役割を担うことになりました。この際、大津首は3人の弟子を得て陰陽の技術を教授するように命じられます。

文学的業績

大津首は漢詩人としても知られており、その作品は『懐風藻』に2首収められています。彼の詩はその時代の文化を反映したものであり、陰陽の専門知識と結びついた独自の視点から展開されています。彼の業績は、当時の文化や学問の発展に大きく寄与したのは間違いなく、今でもその影響は感じられます。

官歴

彼の官歴については『続日本紀』に詳しく記されています。具体的には、

• - 和銅7年（714年）3月10日：還俗し、従五位下に叙爵
• - 時期不詳：従五位上
• - 養老5年（721年）正月27日：元正天皇から褒賞を賜与

大津首の生涯は、奈良時代の文化と学問の象徴とも言えるものであり、彼の存在は後世に大きな影響を与えました。彼の学問的な業績や詩作品は、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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