大神田軍治

大神田軍治：激動の時代を駆け抜けた政治家

大神田軍治（おおかんだ ぐんじ）は、1883年（明治16年）に山梨県で生まれ、1943年（昭和18年）に亡くなった政治家です。彼は衆議院議員を2期務め、東京市会においても要職を歴任しました。

生い立ちと初期の活動

大神田は、山梨県北都留郡巌村（現在の上野原市）で生まれ、籍文学舎で漢学を学びました。その後、政治の世界へと足を踏み入れ、芝区会議員を皮切りに、東京市会議員、同参事会員、同議長、東京府会議員、同参事会員と、地方政治の要職を歴任しました。特に、帝都復興委員長を務めたことは、彼の政治家としてのキャリアにおいて重要な出来事の一つです。

衆議院議員としての活動

1932年（昭和7年）の第18回衆議院議員総選挙で、立憲民政党公認として東京1区から出馬し、初当選を果たしました。しかし、その後の政治活動は決して順風満帆ではありませんでした。

同年の東京府会市部会の正副議長選挙では、三木武吉が推薦した候補を退け、自身が推薦した候補を当選させたことで、三木との間で激しい論争を繰り広げました。この一件は、当時の政界における権力闘争の一端を示す出来事として知られています。

疑獄事件と失脚、そして再起

1934年（昭和9年）、大神田は第2次東京市会疑獄（瓦斯疑獄・市会議長選挙買収事件・市長選挙買収事件）に関与したとして、東京地方裁判所で懲役1年2ヶ月・追徴金6500円の判決を受けました。その後、控訴審で懲役10ヶ月・追徴金3500円に減刑されましたが、1936年（昭和11年）に大審院で刑が確定しました。この判決により、彼は帝都復興記念章と大礼記念章（昭和）を剥奪され、同年行われた第19回衆議院議員総選挙では落選しました。

しかし、大神田はここで終わる人物ではありませんでした。1942年（昭和17年）の第21回衆議院議員総選挙では、非推薦ながらも立候補し、見事当選を果たし、政界への復帰を成し遂げました。

晩年と著作

衆議院議員として再起を果たした大神田でしたが、在職中の1943年（昭和18年）にその生涯を閉じました。彼は、政治家としての活動の傍ら、著作活動も行っており、『日本はどうなる』（1939年）、『日本はどうなる』第2輯（1941年）、『世紀の決戦 : 日本はどう発展するか』（1942年）といった書籍を著しています。これらの著作は、当時の社会情勢や彼の政治観を反映した貴重な資料となっています。

まとめ

大神田軍治は、激動の時代を生き抜いた政治家であり、その生涯は波乱に満ちていました。地方政治から国政まで、幅広い分野で活躍し、疑獄事件による失脚を経験しながらも、再び政界へ復帰するという、不屈の精神を示しました。彼の足跡は、日本の政治史において重要な位置を占めています。

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