大臣家

大臣家（だいじんけ）

大臣家とは、公家の家格の一つで、摂家、清華家に次ぐ家格を指します。

概要

大臣家は、元は清華家の庶流から生まれた家であり、清華家に準じた昇進が可能です（ただし、摂家・清華家が任じられない参議を経て中納言となる）。大臣に欠員が出た場合、通常は大納言から近衛大将を経て昇進するところを、大臣家は大納言から近衛大将を経ずに直接内大臣に昇進できる家柄です（清華家とは異なり近衛大将を兼ねることはできません）。

清華家との違いとして、本来は清華家は蔵人頭を経ずに参議に任じられるのに対し、大臣家は蔵人頭を経て参議に任じられる点に差がありました。しかし、時代が下るにつれて清華家は参議に、大臣家は蔵人頭に任じられることはなくなったという説もあります。

極官は太政大臣ですが（ただし、江戸時代の太政大臣は摂政・関白経験者に限られました）、右大臣に昇進した例（三条西実条・中院通躬）が稀にある程度で、大臣家から内大臣を超えて昇進した事例は多くありません。

准大臣以上に昇進したのは、中院家（通方から通富まで25代）で10人、正親町三条家（公氏から公勝まで29代）で8人、三条西家（公時から公允まで17代）で6人と、大臣輩出率は高いとは言えません。

維新後は、叙爵内規の「大納言迄宣任ノ例多キ旧堂上」を基準に伯爵となりましたが、正親町三条家から改号した嵯峨家は、のちに侯爵に陞爵（しょうしゃく）しました。

大臣家一覧

大臣家に属する家は以下の3家で、いずれも旧家です。

藤原北家閑院流 (2家)
正親町[三条家]：藤原北家閑院流三条庶流。三条実房の子である公氏が祖。維新後、嵯峨家に改号。旧家。家業は有職故実。
三条西家：藤原北家閑院流正親町三条庶流。正親町三条実継の子である公時が祖。旧家。家業は香道、和歌、有職故実。
村上源氏 (1家)
中院家：村上源氏久我庶流。久我通親の子である通方が祖。旧家。家業は有職故実。

関連項目

堂上家

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