大里 (北九州市)とは？意味をやさしく解説

大里（だいり）

大里は、福岡県北九州市門司区の南西部に位置している地名であり、地域名でもあります。この地域は、かつて「内裏」と呼ばれていましたが、1716年から1736年の間に「大里」に改名されました。

概要

大里は旧豊前国に属し、かつての小倉藩のエリアでもあります。また、1891年に開業したJR門司駅の周辺地域を含む市街地を指します。この地域は関門海峡に面しており、背後には517.8メートルの高さを誇る戸ノ上山があります。交通面では、JR鹿児島本線の海側を国道199号が、山側を国道3号が平行して走っており、山の麓には北九州高速4号線も通っています。大里地区内には大里出入口が設けられています。

また、1908年から1923年の間には企救郡大里町が存在していました。大里は往時、九州最北端の宿場町として栄えており、門司往還を利用して長崎街道の小倉常盤橋へと通じていました。さらに、この地は日本二十六聖人が対岸の唐戸から上陸した地点とも言われています。

1903年には鈴木商店が設立した大里製糖所（現在の関門製糖）がこの地に工業の灯をともしました。続いて、1911年には大里製粉所（現・日本製粉）や九州電線（現・古河電工）、1912年には帝国麦酒（現在のサッポロビール）、1914年には大里酒精製造所（現在のニッカウヰスキー）の工場が開設されるなど、大里は明治から大正期にかけて工場集積地として繁栄を遂げました。特に、鈴木商店系の企業が中心となり、この地域は日本の代表的な産業地区となっていきました。

地名の由来

「内裏」という地名は、1183年にこの地に安徳天皇の宮殿（柳の御所）が位置していたことに由来しています。現在の御所神社付近がその伝説的な遺跡とされています。享保年間には海賊の出没があり、「内裏」に流血の海が広がるのを恐れたため、「大里」と改名されたと伝えられています。1902年には明治天皇の九州行幸の際、御所神社の社殿が明治天皇の休憩に使われたこともあります。このことは安徳天皇の慰霊との関連があると評価されています。

歴史

大里の歴史は次の通り進展してきました。

- 1891年 4月1日: 九州鉄道によって大里駅（現・門司駅）が開業。
- 1903年: 大里製糖所（現・関門製糖）設立。
- 1911年 6月5日: 九州電気軌道北九州線（西鉄北九州線）開通。同年、大里製粉所（現・日本製粉）および九州電線（現・古河電工）が設立。
- 1912年: 帝国麦酒（後のサッポロビール）設立。
- 1914年: 大里酒精製造所（現在のニッカウヰスキー）設立。
- 1917年: 株式会社神戸製鋼所門司工場（現・神鋼メタルプロダクツ）設立。
- 1942年 4月1日: 大里駅が門司駅に改称される。
- 1942年 7月1日: 関門鉄道トンネルが開通。
- 1985年 10月20日: 西鉄北九州線廃止。
- 2002年 3月31日: 門司競輪場が廃止される。

主な施設

以上のように、大里地区は歴史的な背景とともに、産業の発展を遂げた魅力的な地域です。

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