天草種元

天草 種元（あまくさ たねもと）は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将であり、キリシタン大名として知られています。彼は肥後国（現在の熊本県）の本渡城を拠点としていました。

生涯

天草種元は、肥後天草諸島の国人衆である天草五人衆の一家、天草氏の分家出身です。種元は瀬戸氏と名乗っていた時期もあり、瀬戸十郎兵衛種元とも呼ばれていました。天草尚種の子である鎮尚の義兄弟にあたりますが、尚種が種元の父であるという説や、鎮尚の別名が久武であり、種元をその嗣子とする異説も存在します。

天草地方では、鎮尚の時代に宣教師ルイス・デ・アルメイダが訪れ、永禄12年（1569年）から布教活動が盛んに行われました。これによりキリシタンが増加し、元亀元年（1570年）には父である久武と共に種元も洗礼を受けたとされています。洗礼名は一般的にはジョアン（フアン）とされていますが、アンドレアとする異説もあります。

天正10年（1582年）に家督を継いだ種元は、丸目長恵を一時的に庇護していたとも伝えられています。天正15年（1587年）に豊臣秀吉による九州平定が行われると、種元は秀吉に臣従し、本領を安堵されました。

しかし、天正17年（1589年）に小西行長が宇土城で城普請を要求した際、志岐鎮経・諸経親子が反旗を翻すと、天草久種や種元、大矢野種基、上津浦種直、栖本親高ら他の天草五人衆も呼応し、天草 Rebellion（天草合戦）が勃発しました。種元は本渡城で抵抗しましたが、小西行長や援軍として駆けつけた加藤清正の連合軍に攻め落とされ、降伏しました。この戦いで種元は討ち死にしたとも伝えられています。

その後、種元は小西行長の与力となり、文禄・慶長の役に出陣しました。慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いにも参加し、戦後には備前岡山の小早川秀秋の預かりとなりました。

天草種元は、激動の戦国時代から安土桃山時代にかけて、キリシタン大名として生きた人物であり、その生涯は様々な逸話に彩られています。

参考文献

高柳光寿; 松平年一『戦国人名辞典』吉川弘文館、1981年、14頁

関連項目

日本のキリシタン一覧

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