太魯閣国家公園

太魯閣国家公園

太魯閣国家公園は、台湾東部に位置する国立公園で、その総面積は9万2000ヘクタールに及びます。花蓮県、台中市、南投県にまたがる広大な地域に、息をのむような自然の美しさが広がっています。

公園の中心をなす太魯閣渓谷は、立霧渓が長い年月をかけて大理石の岩盤を侵食し形成した壮大な渓谷です。その奇岩怪石と清らかな水の流れが織りなす景観は、台湾の中でも特に人気が高く、多くの観光客を魅了しています。

「タロコ」という地名は、この地に住む台湾原住民タロコ族の言葉に由来するとされています。一説には「連なる山の峰」を意味するとも、また、高名な頭目の名に由来するとも言われています。

主な名所

九曲洞: 太魯閣渓谷の中でも最も素晴らしい景観が見られる場所の一つです。2017年11月には新しい遊歩道が開通し、より安全に絶景を楽しめるようになりました。
長春祠: 東西横貫公路の建設工事中に殉職された212名の霊が祀られています。その慰霊のため、この場所に建立されました。
燕子口: 岩壁には小さな洞穴が数多くあり、そこに無数のツバメが巣を作っています。この場所は、その様子から燕子口と名付けられました。
慈母橋: 赤い大理石で造られた美しい橋です。その優雅な姿は、周囲の景観に調和しています。
天祥: 公園内で宿泊施設や飲食店が集まる場所で、標高は約480mです。かつてはタロコ族の言葉でシュロを意味する「タビト」と呼ばれていました。日本統治時代もその名が使われていましたが、国民党政府時代に、南宋の忠臣である文天祥にちなんで現在の地名に改められました。かつてこの場所には、台湾総督であった佐久間左馬太を祀る佐久間神社がありましたが、現在は文天祥の像が建てられています。
錐麓大断崖: 高さ約200mの大理石の一枚岩がそそり立つ断崖絶壁です。その圧倒的な迫力は、訪れる人々を魅了します。また、「離縁坂」と呼ばれる坂道も存在します。
流芳橋: 美しい景観を眺めながら渡ることができる橋です。
大禹嶺: 標高の高い場所に位置し、素晴らしい景色が楽しめます。
布洛湾: 豊かな自然が残る場所です。
白楊瀑布: 天祥から中部横貫公路を西へ900mほど歩くと、白楊歩道の入口（トンネル）があります。そこから約2.1km歩くと観瀑台に到着し、美しい白楊瀑布を鑑賞できます。

歴史

1937年12月27日: 台湾総督府により、「次高タロコ国立公園」として太魯閣周辺の広い地域が国立公園に指定されました。
1945年8月15日: 日本の敗戦により、台湾が中華民国統治下に置かれると同時に、「次高タロコ国立公園」は消滅しました。
1986年11月28日: 「太魯閣国家公園」として改めて成立しました。

交通

太魯閣国家公園へのアクセスは、主にバスやツアーが利用されます。

バス: 東部幹線花蓮駅から新城（太魯閣）駅を経由して天祥まで、1時間に1本程度の割合でバスが運行しています。所要時間は、天祥行きが約1時間15分、花蓮行きが約1時間で、公園内の経路が一部異なります。主な見どころにはバス停があり、1日券、2日券も販売されています。
花蓮空港: 花蓮空港からは車で約30分でアクセス可能です。
現地ツアー: 天祥までの観光、昼食、アミ族の踊りの鑑賞などがセットになった現地ツアーも人気です。前日までに花蓮市内のホテルに申し込めば、ホテル、鉄道駅、空港まで送迎してもらえます。
日帰りツアー: 台北などからの往復の列車をセットにした日帰りツアーも販売されています。

ギャラリー

(画像に関する記述は省略)

脚注

(脚注に関する記述は省略)

関連項目

台湾鉄路管理局太魯閣号

外部リンク

* 太魯閣国家公園（日本語版）

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