学校登山

学校登山とは

学校登山は、学校教育の一環として行われる登山活動です。主に中学校で実施されており、生徒が山に親しみ、自然を学ぶ機会を提供することを目的にしています。長野県や富山県では、古くから学校行事として実施されており、生徒の体力向上や精神的な成長を促すことを目的としていました。

学校登山の現状

学校登山は、長野県や富山県を中心に日本各地の学校で実施されてきました。しかし、近年では生徒の運動不足や体力・精神力の低下、アレルギー体質の生徒の増加、発達障害を疑われる生徒の増加など、学校を取り巻く環境が変化しています。また、引率者の責任が厳しく問われる世相もあり、学校登山の実施が困難になっている現状があります。

学校登山を推進している県

富山県:
富山県では、平成11年から「12歳立山夢登山」を実施しています。これは、立山の大自然の中で夢を語り合い、郷土の魅力を発見することを目的とした取り組みです。県内の小学校の半数と中学校で実施されており、7月と8月に立山を登山します。富山県における学校登山の始まりは、1912年に東水橋尋常高等小学校の児童が立山に登ったのが最初という説があります。

長野県:
長野県では、多くの中学校で学校登山を実施しています。2000〜3000メートル級の山々が対象で、硫黄岳、乗鞍岳、唐松岳、木曽駒ケ岳、燕岳、爺ヶ岳、御嶽山、常念岳などが選ばれます。中学2年生の時に1泊2日程度の日程で実施されるのが一般的です。

岐阜県:
岐阜県でも中学校で学校登山が実施されていますが、乗鞍岳や伊吹山など、頂上付近までバスで行ける山が選ばれることが多いです。そのため、ハイキング程度と捉える先生もいます。

学校登山の事例

学校登山は、小学校から高等学校まで、さまざまな学校で実施されています。以下にいくつかの例を挙げます。

小学校:
筑波大学附属小学校：八ヶ岳
宝仙学園小学校：富士山
中学校:
大阪星光学院中学校・高等学校：立山登山旅行（中学3年生）
学校法人自由学園：2000m～3000m程度の山
富士吉田市立吉田中学校：富士山
松本市立波田中学校：乗鞍岳、大滝山
箕輪町立箕輪中学校：木曽駒ケ岳(過去には遭難事故が発生)
不二聖心女子学院中学校・高等学校：富士山
高等学校:
山形県立米沢興譲館高等学校：吾妻山
熊本県立天草東高等学校：阿蘇
宮城県仙台第二高等学校：岩手山(過去には蔵王で遭難事故が発生)
青森県立五所川原工業高等学校：岩木山
東京学芸大学附属高等学校：妙高山
新潟県立高田高等学校:妙高山、尾瀬、白馬、蝶ヶ岳、燕岳、立山など
長野県大町高等学校:白馬岳、燕岳、穂高岳、蝶ヶ岳、唐松岳など
岡山県立岡山朝日高等学校：富士山
長野県松本深志高等学校:西穂高岳(過去には落雷遭難事故が発生)

学校登山における遭難事故

学校登山では、過去にいくつかの遭難事故が発生しています。以下に主な例を挙げます。

箕輪町立箕輪中学校：木曽駒ヶ岳での遭難事故
宮城県仙台第二高等学校：蔵王山での遭難事故
長野県松本深志高等学校：西穂高岳での落雷遭難事故
その他：福島県女子師範学校遭難事故、吾妻連峰雪山遭難事故

これらの事故を教訓に、学校登山では安全対策を徹底することが重要です。

学校登山に関連する事項

学校登山に関連する事項として、以下のようなものがあります。

飛騨山脈
燕岳
常念岳
爺ヶ岳
乗鞍岳
将棊頭山
唐松岳
立山
御嶽山
吾妻山
全国高等学校総合体育大会登山競技大会
林間学校
聖職の碑

学校登山は、生徒にとって貴重な経験となる一方で、安全管理を徹底することが不可欠です。学校登山を実施する際には、十分な計画と準備を行い、安全に配慮した登山を行うことが求められます。

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