学校法人自由学園

自由学園について

自由学園は、東京都東久留米市に本部を置く学校法人であり、教育事業を中核に、飲食、出版、ブライダル、イベント、インテリア販売など多岐にわたる事業を展開しています。1921年、キリスト教思想家の羽仁もと子と羽仁吉一夫妻によって、キリスト教精神に基づいた理想教育の実践を目指し設立されました。

教育理念と特徴

自由学園の教育理念は、「生活即教育」です。これは、日常生活そのものが学びの場であるという考え方に基づいています。この理念を具現化するため、生徒たちは日々の生活を自ら運営する「自労自治」の精神を養っています。具体的には、キャンパスの維持管理や農作業など、様々な活動を生徒自身が行っています。

また、文部科学省の学習指導要領にとらわれない独自の教育方法も特徴です。例えば、学生による稲作、女子部生徒による農園での野菜栽培、男子部生徒による酪農など、体験を通して学ぶことを重視しています。

キャンパスと施設

自由学園は、複数のキャンパスと施設を保有しています。

南沢キャンパス（本部）: 東京都東久留米市に位置し、広大な敷地には、学校施設だけでなく、寮や農場も併設されています。
目白キャンパス（明日館）: 東京都豊島区に位置し、国の重要文化財に指定された歴史的建造物「自由学園明日館」があります。
那須農場: 栃木県那須塩原市に位置し、農業教育と研究活動の拠点となっています。
分収林: 埼玉県飯能市、三重県北牟婁郡紀北町、栃木県大田原市にそれぞれ森林を保有しています。

設置学校

自由学園は、幼稚園から大学までの一貫教育を提供しています。

自由学園幼児生活団幼稚園: 4歳から6歳までの幼児を対象とした幼稚園です。週5日の通園に加え、家庭での教育をサポートする通信教育も行っています。
自由学園初等部（小学校）: 男女共学の小学校で、「よくみる、よくきく、よくする」を教育目標に掲げ、体験学習を重視した教育を行っています。
自由学園中等部・高等部: 2024年度に男女共学化された中高一貫教育の学校です。以前は男女別学でしたが、現在は共に学び、成長する環境を提供しています。
自由学園最高学部（大学部）: 大学の学部に相当する4年制課程と、短期大学に相当する2年制課程から構成されています。リベラル・アーツ教育を専門とし、2025年度からは外部からの学生も受け入れる予定です。
自由学園リビングアカデミー: 45歳以上を対象とした大学講座です。

歴史

自由学園は、1921年に東京府北豊島郡高田町に女子部として創立されました。その後、初等部、男子部、幼児生活団、最高学部などが順次開設されました。1934年には、校舎を現在の東久留米市に移転しました。2024年には、中等部と高等部が男女共学化されました。

関連施設・事業・団体

自由学園は、教育活動以外にも様々な事業を展開しています。

自由学園那須農場: 農業生産と人間教育の場として、社会活動や研究活動が行われています。
自由学園出版局: 創立者や教職員の著書を中心に、出版事業を行っています。
自由学園協力会: 財政支援を目的として、在校生の父母によって組織された団体です。
株式会社自由学園サービス: 会館運営、工芸品製作、製菓販売、不動産賃貸など、収益事業を行っています。
自由学園明日館: フランク・ロイド・ライトと遠藤新の共同設計による歴史的建造物で、一般公開や結婚式などに利用されています。
自由学園生活工芸研究所、JMショップ: 工芸品の製作・販売を行っています。
自由学園食事研究グループ、自由学園しののめ茶寮、しののめショップ: 食に関する研究や、飲食店の運営を行っています。

校歌・校訓・寮歌

自由学園には、複数の校歌と、各部ごとに異なる校訓があります。また、寮生活を送る生徒たちには寮歌も存在します。

校歌:『自由を目指して』、『かかげよ旗を』、『野の花の姿』、『男子部賛歌』
校訓: 「生活即教育」を基本理念として、各部に標語を定めています。
最高学部：「真の自由人（いのちのよき経営者となる）」
女子部：「思想しつつ　生活しつつ　祈りつつ」
男子部：「思想　技術　信仰」
初等部：「よくみる　よくきく　よくする」
生活団：「よく教育することは、よく生活させること」
寮歌:『清風寮歌』、『東天寮歌』

行事

自由学園では、生徒全員が参加する様々な行事が開催されます。

入学式・入寮式、遠足（登山）、体操会、学業報告会、美術工芸展、音楽会、午餐会、卒業式、平和週間など。

制服

男子部には制服があり、女子部には式服があります。初等部は女子部と同様の式服を着用します。

部活動

自由学園には、運動部と文化部があります。

運動部: バスケットボール部、硬式テニス部、転回部、サッカー部、剣道部、バドミントン部、ダンス部、フェンシング部、グリークラブ、コアグループ、アメフトクラブ
文化部: 弦楽オーケストラ、ウインドオーケストラ、グリークラブ、競技かるた部、美術部、天文部

文化財

自由学園には、文化財に指定されている建物が複数あります。

重要文化財: 自由学園明日館（中央棟、東教室棟、西教室棟、講堂）
DOCOMOMO Japan選定: 自由学園明日館、自由学園南沢キャンパス（正門、初等部食堂・教室、女子部食堂・教室・回廊・体操館・講堂、男子部教室・体操館）
東京都指定有形文化財：自由学園南沢キャンパス：女子部講堂・食堂・教室（4棟）・体操館 及び土地
東京都選定歴史的建造物: 自由学園南沢キャンパス：初等部食堂、男子部体操館

主な出身者

自由学園は、様々な分野で活躍する著名人を多数輩出しています。

秋田浩之（日本経済新聞論説委員）、石垣綾子（評論家）、伊藤毅（音楽プロデューサー）、梅浦洋一（映画プロデューサー）、遠藤楽（建築家）、應蘭芳（女優）、オノ・ヨーコ（芸術家）、柿崎譲志（音楽プロデューサー）、神谷美恵子（精神科医）、神沢礼江（作詞家）、岸田今日子（女優）、金原亭世之介（落語家）、日下公人（評論家）、小山美秀子（宗教家）、小林雅之（ドラマー）、坂本龍一（作曲家）、生源寺美子（児童文学作家）、新海百合子（女優）、蜷川実花（写真家）、野依良治（化学者）、萩元晴彦（テレビ制作者）、纐纈あや（映画監督）、羽仁協子（音楽評論家）、羽仁知治（ジャズピアニスト）、羽仁進（映画監督）、羽田澄子（映画監督）、文仁親王妃紀子、古内東子（歌手）、古屋安雄（神学者）、本郷淳（俳優）、松岡洋子（評論家）、三木晴雄（実業家）、水木楊（作家）、宮田和弥（ミュージシャン）、三善晃（作曲家）、村方千之（指揮者）、村山籌子（児童文学作家）、村山美知子（新聞社主）、森純太（ミュージシャン）、本橋成一（写真家）、山本明（物理学者）、山本直純（指揮者）、山本ふみこ（作家）など。

関連団体

自由学園の創立者や関係者が設立した団体として、婦人之友社、全国友の会、共働学舎があります。

その他

自由学園は、過去にドラマやミュージックビデオのロケ地としても使用されました。

ドラマ「ザ・クイズショウ」
AKB48「上からマリコ」ミュージックビデオ

外部リンク

自由学園公式サイト
自由学園幼児生活団幼稚園
自由学園初等部
自由学園中等科・高等科
自由学園最高学部
自由学園明日館
* デジタルアーカイブ 自由学園100年+

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