孫瑜

孫瑜（そん ゆ）

孫瑜は、中国後漢末期の武将で、字は仲異（ちゅうい）。父は孫静（そん せい）、兄に孫暠（そん こう）、弟に孫皎（そん こう）・孫奐（そん かん）・孫謙（そん けん）がいる。また、孫権（そん けん）は従弟にあたる。彼は『三国志』呉志にその名が記されている。

生涯

孫瑜は、恭儀校尉（きょうぎこうい）として兵士を預かる身となった。揚州（ようしゅう）西部出身者を中心に、謙虚な姿勢で人材を求め、鄭重に振舞ったため、多くの人々の心を掴んだ。孫策（そん さく）の急死後、兄の孫暠が反乱を企てて失脚、父の孫静もまもなく引退したが、孫瑜は引き続き孫権に重用された。孫権の弟である孫翊（そん よく）が部下に殺害されると、建安9年（204年）に丹陽太守（たんようたいしゅ）に任命され、人望の厚さから1万の兵を集めることに成功した。

建安11年（206年）には、周瑜（しゅうゆ）と共に麻（ま）・保（ほ）の砦を攻略した。周瑜は特に孫瑜を信頼しており、後に益州（えきしゅう）を攻め取ろうと計画した際には、攻略後の益州を孫瑜に任せることを想定していたという（「周瑜伝」）。作戦が実行に移されると、孫瑜は孫権の命を受け水軍を率いたが、周瑜の死によって益州攻略は中止となり、夏口（かこう）の守備を固めることになった。

曹操（そうそう）が濡須（じゅす）に攻め寄せた際には、その撃退戦に参加した。孫権が積極的に討って出ようとした際、孫瑜は自重を促したが、孫権はこれを聞き入れず戦闘を開始、結局何の戦果も上げることができなかった。

その後、孫権が揚州北部に進出するようになると、孫瑜は奮威将軍（ふんいしょうぐん）に軍位を進め、丹陽太守のまま駐屯地を溧陽（りつよう）から牛渚（ぎゅうしょ）に移した。孫瑜が部下を県令（けんれい）に任命し、それぞれに九江郡（きゅうこうぐん）・廬江郡（ろこうぐん）への降伏を呼びかけさせたところ、両郡は降伏することとなった。

彼はまた、馬普（ばふ）という学問に長けた部下を優遇し、自身だけでなく他の部下にも学問を学ばせた。古典を諳んじるほどであったという。

建安20年（215年）、孫瑜は39歳という若さで死去した。彼の軍権の多くは弟の孫皎が引き継いだ。5人の子がおり、彼らは皆侯（こう）に封じられ、孫曼（そん まん）は将軍となった。

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