孫輔

孫輔（そん ほ、生没年不詳）は、後漢末期の武将・政治家であり、孫策・孫権の従兄弟にあたります。字は国儀（こくぎ）。父は孫羌（そんきょう）、兄は孫賁（そんひ）。子は孫興（そんこう）・孫昭（そんしょう）・孫偉（そんい）・孫昕（そんきん）と、駱統（らくとう）の妻です。『三国志』呉志「宗室伝」に記述があります。

生涯

幼少の頃に両親を亡くし、兄である孫賁に養育されました。

孫策が挙兵すると、孫輔はこれに従って揚武校尉（ようぶこうい）となり、江東三郡の平定において功績を挙げました。孫策が丹陽郡の七県を平定した際には、袁術（えんじゅつ）の干渉を阻止するため、歴陽（れきよう）に軍営を置いて、逃走した民衆を呼び寄せる任務を担いました。孫策が祖郎（そろう）を攻撃した際にも、これに従軍しています。

劉勲（りゅうくん）を攻撃した際にも従軍し、孫輔は自ら軍の先頭に立って戦い、功績を挙げました。その後、孫策により新設された廬陵（ろりょう）太守に任じられ、その統治にあたりました。平南将軍（へいなんしょうぐん）まで昇進し、交州刺史（こうしゅうしし）に任じられると共に、仮節（かせつ）を与えられました。

孫策の死後、孫権が後を継ぐと、孫輔が曹操（そうそう）へ内密に使者を送っていたことが発覚し、幽閉されてしまいます。それから数年後に死去しました。子らは皆それなりの地位に就いたと伝えられています。



参考文献

* 陳寿、裴松之注『正史 三国志』、井波律子・今鷹真・小南一郎 訳・解説（ちくま学芸文庫全8巻、1992 - 93年）、※呉書は6・7・8巻、小南一郎訳。

もう一度検索