宝林寺 (南魚沼市)

宝林寺（ほうりんじ）は、新潟県南魚沼市の飯士山山麓に佇む曹洞宗の寺院です。その歴史は古く、室町時代の文明3年（1471年）に開山されました。当初は臨済宗円覚寺派に属し、関興庵の末寺である宝林庵として創建されました。

創建から六代の時を経て、永禄年間（1558年～1569年）の戦乱の時代には、一時的に住職が不在となる無住の状態となりました。その後、天正7年（1579年）に、雲洞庵の十二世住職であった玄林和尚がこの地を隠居所としたことを機に、宝林寺は曹洞宗へと改宗されました。さらに時代が進み、玄林和尚から九代目の住職である龍門和尚は、荒廃していた諸堂を再建し、この時に現在の寺号である「宝林寺」に改称されたと伝わっています。延宝3年（1675年）には、以前あった大原の地から現在の場所へと移転し、今日に至ります。

近年では、二十五代住職である大海宏哉氏により、2018年9月8日に地域に開かれた行事として「寺フェス」が開催されるなど、伝統を守りつつも新たな取り組みも行われています。

山内と伽藍

境内には長い歴史を持つ様々な堂宇や文化財が見られます。

格天井: 天文3年（1534年）に、当時の宝林庵二世住職が勧請した石上神社の紀元二千六百年記念行事における大増改築の際、69点もの書画が献納され、格天井として飾られました。
本堂: 享保16年（1731年）に建立された本堂は、長い年月を経て地域の信仰の中心となっています。
秋葉大権現: 寛延3年（1750年）に、宝林寺中興の祖とも称される九世住職によって勧請されました。
金毘羅大権現: 文政5年（1822年）には、当時の十六世住職により金毘羅大権現が勧請され、祀られています。
庫裏: 昭和52年（1977年）に建て替えられた庫裏は、寺院の日常的な活動の拠点です。
普陀三十三観音: 平成元年（1989年）に、二十四世住職によって造立されたものです。

寺の裏山、秋葉山（標高477メートル）には、かつて舞子城があったと伝わる史跡があります。この秋葉山の山腹には、普陀三十三観音を巡拝できる遊歩道が整備されており、およそ1時間ほどで散策を楽しむことができます。

境内には宝物殿も設けられており、寺院に伝わる貴重な品々が収蔵されていると見られます。

周辺環境とアクセス

宝林寺周辺は、豊かな自然と観光資源に恵まれています。

近くには舞子スノーリゾートがあり、冬季は多くのスキー・スノーボード客で賑わいます。清流として知られる魚野川も流れ、四季折々の景色を提供しています。
地域情報の発信拠点である道の駅南魚沼や、静養に適した大沢山温泉なども周辺にあります。

交通アクセスも比較的良好です。

鉄道・バスをご利用の場合: 上越新幹線越後湯沢駅で下車後、上越線または北越急行ほくほく線に乗り換えて六日町駅まで移動します。六日町駅角バス停から南越後観光バスの湯沢～塩沢～六日町線（大木六・舞子経由）に乗車し、約25分で上舞子バス停に到着します。バス停からは徒歩約2分で宝林寺に至ります。
お車をご利用の場合: 関越自動車道の塩沢石打インターチェンジで降り、新潟県道28号塩沢大和線を約5分ほど走行すると到着します。

このように、宝林寺は歴史と文化に触れることができるだけでなく、周辺の自然や観光も楽しめる立地にあります。静かな環境で心穏やかな時間を過ごすことができるでしょう。

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