宮城浩蔵

宮城浩蔵

宮城浩蔵（みやぎ こうぞう、1852年6月2日 - 1893年2月13日）は、日本の刑法学者、政治家であり、明治法律学校（現在の明治大学）の創設者の一人です。彼は、フランスの刑法理論を日本に導入し、日本の刑法改正に大きな影響を与えました。

人物

宮城は、フランスの法学者ギュスターヴ・エミール・ボアソナードの弟子であり、ボアソナードが起草した旧刑法の下で、フランスの新古典派・折衷主義刑法理論を日本にもたらしました。その功績から「東洋のオルトラン」と称されました。オルトランはボアソナードの師であり、宮城は師の師にたとえられたのです。しかし、宮城の刑法理論は、資本主義の発達に伴う累犯の増加に対応できないとして、後に新派刑法理論の立場から批判されることになります。

民法典論争では、梅謙次郎とともに施行断行派を支持しましたが、その最中に腸チフスで急逝しました。享年42歳でした。彼の墓は谷中霊園にあります。

また、宮城はフランス留学中に西園寺公望と親交を深めました。西園寺は後に明治法律学校の創立に加わり、名誉顧問となっています。宮城の旧宅跡地は、現在東郷元帥記念公園となっています。

経歴

宮城は、出羽国（現在の山形県）で天童藩御典医の武田玄々の次男として生まれました。後に天童藩士の宮城瓏治の養子となりました。

1870年、西洋兵学を学ぶため上京し、箕作麟祥の共学社に入学。同年、貢進生に選ばれ、大学南校に入学しました。1876年には司法省明法寮を第一期生として卒業し、パリ大学に入学します。その後、1880年にリヨン大学法学部に転学し、法学士号を取得して帰国しました。

帰国後、大審院検事となります。1881年には、岸本辰雄、矢代操と共に明治法律学校を創設。1886年には司法省参事官に就任し、1888年には明治法律学校教頭となります。1890年には刑法改正案起草委員に任命され、第1回[[衆議院議員総選挙]]では山形1区から立候補し当選しました。

1891年には東京代言人組合会長に就任。同年、帝国議会で商法施行延期法案に反対する演説を行いました。しかし、1893年に腸チフスにより42歳で亡くなりました。

栄典

1886年7月8日には、従六位に叙せられました。

著書

『刑法講義』（全2巻、1885年）
『刑法正義』（1893年）
『改訂増補民事訴訟法正義』（1893年）遺著

記念碑

宮城の功績を称える記念碑が各地に建てられています。

宮城浩蔵顕彰碑（山形市千歳公園）：篆額は西園寺公望の筆、碑文は中江兆民の撰。
宮城浩蔵胸像（明治大学駿河台キャンパス内リバティタワー陽だまり広場）
宮城浩蔵先生胸像（天童市・旧東村山郡役所資料館敷地内）

関連事項

刑法典論争
ジョセフ・ルイス・エルザー・オルトラン

参考文献

木戸照陽 『日本帝国国会議員正伝』 田中宋栄堂、1890年
諏方武骨 『山形名誉鑑』 上巻、1891年
明治大学史資料センター 『明治大学小史―人物編』 学文社、2011年 ISBN 978-4-7620-2217-3

外部リンク

山形県天童市/著名人/宮城 浩蔵


宮城浩蔵は、日本の法学の発展に大きく貢献した人物であり、その業績は今日でも高く評価されています。

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