宮家準

宮家準（みやけ ひとし）

宮家準氏は、1933年9月22日生まれの日本の著名な宗教学者であり、特に修験道の研究において深い知識と業績を持つ人物です。慶應義塾大学の名誉教授であり、宗教法人修験道の管長、法首、そして総本山五流尊瀧院の第37代住職も務めています。また、日本学術会議の会員でもあります。

略歴

宮家氏は東京府で生まれ、旧姓は藤井でした。ご両親は共に岡山県出身です。後鳥羽上皇皇子頼仁親王以来の男系血脈を受け継ぐ宮家家を継承するため、父の弟の養子となりました。1956年に慶應義塾大学文学部哲学科社会学専攻を卒業後、1962年には東京大学大学院人文科学研究科宗教学宗教史学専攻を修了しました。

慶應義塾大学では、1962年4月に文学部の助手として採用され、1968年4月には助教授に昇進しました。しかし、学園紛争の時代には、暴力的な学生によって研究室が破壊されるという辛い経験もされています。1969年には、学位論文『修験道の研究』を慶應義塾大学に提出し、文学博士の学位を取得しました。

1974年には、ハーバード大学世界宗教研究センターの客員研究員として渡米し、1975年に帰国。同年4月には慶應義塾大学文学部の教授に昇進しました。1997年にはミシガン大学の客員教授も務め、1999年に慶應義塾大学を退任した後は、國學院大學の教授として教鞭を執りました（1999年から2007年まで）。

学界においては、1996年から日本学術会議の会員を務め、日本宗教学会の常務理事、日本山岳修験学会の名誉会長、神道宗教学会の監事、日本道教学会の理事といった要職を歴任しています。

受賞・栄典

宮家氏の修験道研究は高く評価されており、日本宗教学会賞、慶應義塾賞、福澤賞（1985年）を受賞しています。また、日本山岳修験学会賞、秩父宮記念学術賞（1987年）、徳川記念財団特別功労賞（2013年）も受賞されています。

家族・親族

実兄の藤井隆氏は立正大学の教授であり、義兄の宮家道玄氏は五流尊瀧院の先代住職、宗教法人修験道の先代管長、先代法首です。

著作

宮家準氏は、修験道研究に関する多数の著作を発表しています。

単著

(多数)

編著

(多数)

共編著

（山岸健・平野敏政）『生活の学としての社会学　人間・社会・文化』（総合労働研究所、1977年）
（矢野建彦）『修験道場 大峰山』（佼成出版社、1982年）
（H・バイロン・エアハート）『伝統的宗教の再生－解脱会の思想と行動』（名著出版、1983年）
（小野泰博・宮田登・藤井正雄・薗田稔・奈良康明他）『日本宗教事典』（弘文堂、1985年）
（孝本貢・西山茂）『日本の社会学19　宗教』（東京大学出版会、1986年）
（圭室文雄・平野榮次・宮田登）『民間信仰調査ハンドブック』（雄山閣出版、1987年）
（矢野建彦・岡倉捷郎）『聖地への旅 大峰山』（佼成出版社、1987年）
（吉田禎吾）『コスモスと社会－宗教人類学の諸相』（慶應通信、1988年）
（小川英雄）『聖なる空間』（リトン、1993年）
（鈴木正崇）『東アジアのシャーマニズムと民俗』（勁草書房、1994年）

監修

『祭・芸能・行事大辞典』小島美子・三隅治雄・宮田登・和崎春日監修 朝倉書店 2009年(ISBN 978-4254500134)

監訳

H・バイロン・エアハート『羽黒修験道』鈴木正崇共訳 弘文堂 1985年

外部リンク

日本山岳修験学会
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