富士町 (佐賀県)

佐賀県富士町の歴史と文化

概要

富士町は、佐賀県の北部に位置し、かつて佐賀郡に属していた町です。2005年10月1日に佐賀市、諸富町、大和町、三瀬村と合併し、新たに佐賀市となりました。町名は、合併時に「霊峰富士のごとく気高く伸びることを願って」名付けられました。この地は、山々に囲まれた自然豊かな環境と、温泉地として知られていました。

地理

富士町は、佐賀県の北部に位置し、脊振山地が連なり、南西には天山がそびえる山間部にありました。主な山岳には、天山（1046m）、彦岳（845m）、白石山（794m）、雷山（955m）、羽金山（900m）、亀岳（740m）、権現山（586m）などがあります。また、嘉瀬川、神水川、大串川、天河川といった河川が流れ、北山湖（北山ダム湖）などの湖沼も存在します。特筆すべきは、羽金山にJJY送信所がある点です。

隣接していた自治体

富士町は、佐賀県内の唐津市、大和町、三瀬村、小城町、三日月町、七山村に加え、福岡県の前原市（現糸島市）と福岡市（早良区）にも隣接していました。

歴史

富士町の歴史は、1956年9月30日に佐賀郡小関村、小城郡南山村、北山村が合併し、佐賀郡富士村として始まったことに遡ります。その後、1958年6月1日に八反原が分離して大和町に編入されました。1966年10月1日に町制を施行し、富士町となりました。1996年4月1日には、大和町の一部（松瀬および梅野の各一部）を編入しましたが、2005年10月1日に佐賀市、諸富町、大和町、三瀬村と合併し、その歴史に幕を閉じました。

教育

富士町には、佐賀市との合併後、教育機関の統廃合が行われました。2008年には北山小学校と北山中学校が統合し、小中一貫校である北山校となりました。また、2013年には富士南小学校が富士小学校に統合され、2014年には富士小学校と富士中学校が統合し、小中一貫校富士校となっています。現在、富士町には、佐賀市立小中一貫校富士校と佐賀市立小中一貫校北山校の二つの小中一貫校があります。

交通

富士町内には鉄道路線は通っていません。鉄道を利用する際の最寄り駅は、JR九州長崎本線の佐賀駅、または唐津線の小城駅となります。道路は、国道323号、福岡県道・佐賀県道12号前原富士線、佐賀県道37号厳木富士線、佐賀県道39号富士三瀬線、佐賀県道44号小城富士線などが通っています。

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

富士町には、古湯温泉、熊の川温泉などの温泉地があります。また、天山は登山やハイキングスポットとして人気です。その他、古湯映画祭、嘉瀬川ダム（富士しゃくなげ湖）、北山ダム、淀姫神社などがあります。

その他

富士町は、「水の郷百選」にも選ばれており、「緑と清流と温泉の町」として知られています。
また、この地は、日本のクモ学の発展に重要な役割を果たしました。1906年に出版された「Japanische Spinnen（日本のクモ）」の著者であるベーゼンベルクとストランドは、佐賀県で多くの資料を集めました。特に、富士町の湯ノ原（ゆのはる）で発見された新種が多く、それらの多くにこの地名を学名として与えました。ただし、地名の綴りが誤ってyunohama となってしまったため、ユノハマサラグモ Turinyphia yunohamensis のように、誤った綴りのまま和名に使われている例もあります。

まとめ

富士町は、その豊かな自然と温泉、歴史的な背景を持つ魅力的な地域でした。現在は佐賀市の一部となり、その名前は行政区としては残っていませんが、その歴史と文化は、今もなお人々の記憶に刻まれています。

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