富士見村 (群馬県)

富士見村（ふじみむら）

富士見村は、群馬県の中央部に位置し、赤城山の南斜面に広がる自然豊かな村でした。2009年5月5日に前橋市に編入され、現在はその名が消滅しています。

地理

富士見村は、関東平野の北西端に位置し、赤城山の山頂から南にかけて南北に長い領域を持っていました。村の北部には、赤城山のカルデラ湖である大沼や小沼、湿原の覚満淵があり、ミズバショウなどの高山植物が生息する自然豊かな場所でした。冬季には大沼でワカサギ釣りが楽しめ、周辺の白樺やツツジは四季折々の美しい景観を作り出していました。

村の南部は緩やかな丘陵地帯で、畑作を中心とした都市近郊農業が盛んでした。県都前橋市に隣接していたため、都市部からの人口流入も多く、かつては全国で4番目に人口の多い村でした。

主な山岳

駒ヶ岳 (1,685m)
地蔵岳 (1,674m)
長七郎山 (1,579m)
荒山 (1,572m)
鈴ヶ岳 (1,565m)
鍋割山 (1,332m)

河川

赤城白川
細ヶ沢川
法華沢川

湖沼

大沼
小沼
覚満淵
富入沢ダム

隣接していた自治体

群馬県前橋市
桐生市
沼田市
渋川市

歴史

1889年（明治22年）4月1日、田島、引田、横室など13の村が合併し、富士見村が誕生しました。村名は、これらの村から富士山を望めたこと、また「富士見十三州」という語呂合わせに由来します。

年表

1889年（明治22年）: 13ヶ村が合併し、富士見村が発足。
1896年（明治29年）: 郡の統合により勢多郡に所属。
1993年（平成5年）: 北橘村と境界変更。
1996年（平成8年）: 前橋市と境界変更。
1998年（平成10年）: 前橋市と境界変更。
2001年（平成13年）: 前橋広域圏の首長会合で合併協議が始まる。
2002年（平成14年）: 村長のリコール、住民投票を経て合併協議が本格化。
2009年（平成21年）: 前橋市に編入合併。

前橋市との合併

富士見村は、前橋市との合併協議において、住民投票や村議会の反対など、紆余曲折を経て最終的に合併に至りました。合併推進派の村長が誕生したことで、再び合併協議が進み、2009年に前橋市に編入されました。

行政

歴代村長

歴代の村長については詳細な記録がありますが、ここでは割愛します。

財政

2006年度のデータによると、富士見村の財政力指数は0.564、経常収支比率は89.8%でした。地方債残高は120億2000万円で、村民一人当たりの地方債残高は52万7239円でした。

地域

教育

村内には以下の学校がありました。合併後はすべて前橋市立となっています。

富士見中学校
白川小学校
石井小学校
原小学校
時沢小学校

大字

富士見村の大字は、前橋市編入後、前橋市富士見町○○となりました。

赤城山
石井
市之木場
漆窪
小沢
小暮
田島
時沢
原之郷
引田
皆沢
山口
横室
米野

交通

鉄道

村内には鉄道が通っていません。最寄りの駅はJR上越線の群馬総社駅や八木原駅ですが、利便性を考慮すると両毛線の前橋駅が主に利用されていました。

路線バス

関越交通: 前橋駅 - 富士見温泉 - 赤城山大洞 - 赤城山ビジターセンター（季節運行）
日本中央バス: 前橋駅 - 富士見温泉（石井線、山口線）

道路

国道353号
県道4号前橋赤城線（赤城県道）
県道16号大胡赤城線
県道34号渋川大胡線

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

赤城山
大沼（ワカサギ釣り）
小沼
赤城神社
白樺牧場（群馬県エネルギー資料館跡）
覚満淵
赤城山スキー場
米野宿
珊瑚寺
群馬県馬事公苑
横室の大カヤ

出身有名人

船津伝次平
桑島定助
小野裕幸
羽鳥又男

注釈

詳細については、参考文献や外部リンクをご参照ください。

参考文献

富士見村誌編纂委員会『富士見村誌　追録編』富士見村役場、2009年。

関連項目

時沢大根
猪谷千春 (名誉村民)

外部リンク

* 富士見村ホームページ - ウェイバックマシン

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