小仏峠

小仏峠の魅力

小仏峠（こぼとけとうげ）は、東京都八王子市と神奈川県相模原市との境に位置し、標高548メートルの峠です。この峠は、多摩川水系と相模川水系の分水界を形成しており、特に八王子側の車道終点近くには水準点標石も設置されています。

この峠は高尾山の北側を横断し、旧甲州街道の重要なルートとして利用されてきました。歴史的には、1569年（永禄12年）に武田信玄の軍が小仏峠を越えて攻撃を仕掛けたことが記されています。北条氏照が予想した侵入ルートとは異なり、小仏峠を通った小山田信茂の軍により、北条軍は滝山城に籠もることになり、これが廿里の戦いとして知られています。

その後、小仏峠は甲斐国と武蔵国・相模国を結ぶ重要な通路となり、滝山城の代わりに八王子城が新設され、この地名の由来ともなりました。江戸時代には甲州街道が通過し、さらなる交通の要所となりました。しかし、1888年（明治21年）には国道16号が大垂水峠を経由するルートに変更されたことで、峠を通る交通量は減少しました。それでも、地形的な利点を活かして、中央自動車道やJR中央本線は小仏トンネルを通して峠の北側を抜ける形で整備されています。

頂上の景観と歴史

小仏峠の頂上は、奥高尾縦走路が南北に広がる地点にあり、旧甲州街道が東西に交差する場所でもあります。ここにはいくつかの歴史的な記念碑もあり、明治天皇聖跡碑や三条実美歌碑、かつての茶屋の跡地などが見られます。

特に、明治天皇聖跡碑は1880年に明治天皇が山梨を巡幸した際に設置されたもので、峠を訪れる人々にその偉大さを伝えています。一方、かつて営業していた茶屋は現在は無人で廃屋となっていますが、峠の歴史を物語る重要なスポットです。

アクセスと観光

小仏峠は登山やハイキングの拠点として多くの観光客に人気があります。周辺には高尾山や陣馬山などの観光スポットも点在し、自然を楽しみながらのハイキングを楽しむことができます。アクセス手段としては、高尾駅北口から京王バスが運行されており、通行止めの区間までのアクセスが可能です。

周辺の見どころ

小仏峠の周辺には、歴史的な武蔵陵墓地や高尾駒木野庭園、興味深い小仏関所や廿里古戦場といった場所が存在します。また、多摩森林科学園や高尾山薬王院、高尾登山電鉄、京王高尾山温泉、さらにはTAKAO 599 MUSEUMなども訪れる価値があります。

このように、小仏峠は日本の歴史と自然を同時に堪能できるスポットとして、多くの人に愛され続けています。ハイキングを通じて、この地の豊かな歴史に触れてみてはいかがでしょうか。

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