小寺次郎

小寺次郎

小寺次郎（こでら じろう、1953年6月28日 - ）は、日本の外交官です。北海道蘭越町出身で、東京教育大学附属駒場高等学校（現：筑波大学附属駒場高等学校）を経て、1977年に一橋大学経済学部を卒業後、外務省に入省しました。

外交官としてのキャリア

小寺氏は、外務省入省後、様々な要職を歴任しました。初期には、在ソビエト連邦日本大使館や在アメリカ合衆国日本国[[大使館]]で書記官として勤務し、その後、外務本省では、総合外交政策局企画課長や経済局国際経済第一課長を務めました。

1999年には、ロシア課長に就任し、北方領土問題において「四島一括返還論」を主張しました。しかし、当時外務省に大きな影響力を持っていた鈴木宗男衆議院議員が唱える「二島先行返還論」に抵抗したため、2001年に欧州局ロシア課長を解職され、駐イギリス公使への転出を命じられました。しかし、この人事は当時の田中眞紀子外務大臣によって凍結され、小寺氏はロシア課長に復帰するという異例の事態となりました。この事件は、外務省内の権力闘争を象徴する出来事として広く知られています。

その後、オーストラリア公使、国連大使（2006年 - 2008年）を経て、2008年には外務省国際情報統括官に就任。2010年には欧州局長に就任しました。2012年には、駐サウジアラビア特命全権大使に任命されましたが、2015年に体調不良のため退官しました。

その他の活動

2009年には、皇太子徳仁親王（現：天皇陛下）および皇太子妃雅子様（現：皇后陛下）に国際情勢について進講を行いました。

2016年2月からは、りそな総合研究所の理事・顧問として、情勢分析を担当しています。

同期入省の主な人物

小寺氏と同期には、以下のような外交官がいます。

秋元義孝（駐オーストラリア大使、儀典長）
佐野利男（軍縮会議代表部大使、駐デンマーク大使）
鈴木敏郎（駐エジプト大使、中東・北アフリカ諸国情勢担当大使）
梅本和義（国連次席大使、内閣官房副長官補）
長崎輝章（駐バチカン大使）
太田清和（シアトル総領事）
佐藤悟（駐スペイン大使、外務報道官）
八木毅（駐インド大使兼ブータン大使、経済局長）
長嶺安政（外務審議官（経済）、駐オランダ大使）
深田博史（駐ベトナム大使、駐セネガル大使）
川田司（駐アルジェリア大使）
角茂樹（駐バーレーン大使、国連大使）
井上進（駐コートジボワール大使）
佐渡島志郎（駐バングラデシュ大使、国際協力局長）
花田吉隆（駐東ティモール大使）
杉山晋輔（外務審議官（政務）、アジア大洋州局長）
高原寿一（駐チュニジア大使）
手塚義雅（駐トリニダード・トバゴ大使）


小寺次郎氏は、激動の外交の世界で重要な役割を果たした人物の一人と言えるでしょう。

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