小手指原の戦い

小手指原の戦い

小手指原の戦い（こてさしがはらのたたかい）は、南北朝時代に武蔵国入間郡小手指原（現在の埼玉県所沢市北野）で行われた合戦です。国木田独歩の『武蔵野』にも触れられています。

概要

小手指原の戦いは、主に以下の2回が行われています。

元弘3年/正慶2年（1333年）5月11日： 新田義貞と鎌倉幕府軍との戦い
正平7年/観応3年（1352年）閏2月28日： 足利尊氏と新田義宗との戦い（武蔵野合戦）

この記事では、前者の新田義貞と鎌倉幕府軍との戦いを中心に解説します。後者の足利尊氏と新田義宗の戦いについては、武蔵野合戦を参照してください。

また、建武2年（1335年）に発生した中先代の乱においても、小手指原は戦場の一つとなりました。

経過

元弘3年/正慶2年5月8日、新田義貞は上野国（現在の群馬県）の生品神社で挙兵した後、5月11日朝に入間川を渡り、小手指原に到達しました。そこで、桜田貞国を総大将、長崎高重、長崎孫四郎左衛門、加治二郎左衛門を副将とする3万の鎌倉幕府軍と衝突しました。

幕府軍は、新田義貞軍が入間川を渡りきる前に迎撃する計画でしたが、義貞軍の動きが予想以上に迅速であったため、両軍は予期せぬ遭遇戦となりました。布陣の余裕がないまま、30回を超える激しい戦闘が繰り広げられました。

兵力では幕府軍が優勢でしたが、新田軍は幕府に対して不満を抱いていた河越氏ら武蔵の御家人の支援を受け、次第に有利となっていきました。日没までに新田軍は300人、幕府軍は500人ほどの戦死者を出し、両軍ともに疲弊したため、新田義貞軍は入間川まで、幕府軍は久米川までそれぞれ一旦撤退し、軍勢を立て直すこととなりました。

翌朝、新田義貞軍は久米川に布陣する幕府軍に奇襲を仕掛け、再び戦闘が発生しました（久米川の戦い）。

現在

現在、小手指原には新田軍が本陣を置いたとされる白旗塚が残っています。また、周辺には新田軍が誓いを立てたという誓詞橋や、新田軍が勢揃いしたとされる勢揃橋など、合戦の名残を伝える史跡が点在しています。これらの史跡は、当時の戦いの様子を偲ぶことができる貴重な歴史遺産となっています。

脚注

参考文献

奥富敬之『上州 新田一族』新人物往来社、1984年8月。ISBN 978-4-40-401224-1。
峰岸純夫『新田義貞』吉川弘文館〈人物叢書〉、2005年5月10日。ISBN 4642052321。

関連項目

小手指駅・小手指車両基地 - 小手指ヶ原古戦場周辺にある。
小手指村
中先代の乱
日本の合戦一覧
ボードゲーム
瀬戸利春『武士ライフ３号：小手指原・分倍河原』

外部リンク

* 所沢市埋蔵文化財調査センター - 小手指原古戦場碑が施設裏手にある。

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