小松家 (伯爵家)

小松家

小松家は、桓武平氏の小松重盛を祖と称する禰寝氏の嫡流で、武家、士族、そして華族として歴史に名を刻みました。近世には薩摩藩主島津氏の家臣でしたが、幕末維新期に小松帯刀清廉が輩出され、その功績によって華族の伯爵家に列せられました。

歴史

小松家のルーツは禰寝氏に遡ります。禰寝氏は、建仁3年（1203年）に鎌倉幕府から大隅国禰寝院南俣の地頭職に任じられた禰寝清重を祖としています。系図上では、清重は平清盛の長男である小松重盛の孫、維盛の子孫とされていますが、実際には郡司建部姓の系統と考えられています。清重は北条時政から赦免され、地頭職に任じられたと伝えられています。

戦国時代、重長の代の天正元年（1573年）に、禰寝氏は肝付氏の配下を離れ、島津義久に臣従しました。文禄4年（1595年）には、義久から薩摩国吉利を与えられ、以降、小松家は明治維新まで島津氏に仕え続けました。薩摩藩内での家格は一所持でした。清香の時代に、小松重盛の子孫であるという伝承から小松姓に改めました。

幕末維新期には、明治維新の功臣である小松帯刀清廉（1835年-1870年）が登場します。清廉は肝付兼善の三男でしたが、小松家に養子入りし、薩摩藩の家老として国事に奔走しました。維新後、新政府の要職を歴任し、王政復古の功によって賞典禄1000石を与えられ、従四位下玄蕃頭にも叙位されました。しかし、明治3年（1870年）に急逝しました。

清廉の死後、養子の清緝（町田久長四男）が家督を相続しましたが、明治5年（1872年）には、清廉の実子である清直に家督を譲りました。その後、清直も明治25年（1892年）に隠居し、帯刀に家督を譲りました。

明治29年（1896年）5月、宮内省爵位局は、小松帯刀の祖父である小松清廉の功績を高く評価し、華族の伯爵位を与えるべきと結論づけました。清廉は長年にわたり皇室に忠誠を尽くし、維新回天の大業に貢献したとされました。同年6月9日、帯刀は伯爵に叙せられました。

帯刀が明治38年（1905年）に亡くなると、清直の次男である重春が養子となり家督と爵位を相続しました。重春の死後には、西郷従道侯爵の六男である従志が養子となり、家督と爵位を相続しました。これ以降、小松家は事実上、西郷従道家の分家筋となりました。昭和前期には、小松伯爵家の住居は東京市渋谷区上通四丁目にありました。従志の死後は、晃道が爵位と家督を相続し、その息子が道夫、そして道夫の未亡人である小松久美子が家系を継承しています。久美子の平成前期の住居は、東京都渋谷区南平台町内のマンションでした。

系図

実線は実子、点線（縦）は養子を示します。系図は以下の文献に基づいています。

『島津家家臣団系図集 系図研究資料 下巻』
『平成新修旧[[華族家系大成]] 上巻』

系譜の詳細については、これらの文献をご参照ください。

脚注

(脚注は省略)

出典

(出典は省略)

参考文献

霞会館華族家系大成編輯委員会『平成新修旧[[華族家系大成]] 上巻』霞会館、1996年。ISBN 978-4642036702。
小田部雄次『華族 近代日本貴族の虚像と実像』中央公論新社、2006年。ISBN 978-4121018366。
* 野田幸敬『島津家家臣団系図集 系図研究資料 下巻』南方新社、2019年。ISBN 978-4861243905。

もう一度検索