小枝 (チョコレート)

小枝（こえだ）

概要

森永製菓から発売されている、長年にわたり親しまれているチョコレート菓子。1971年の発売以来、その独特の形状と食感で人気を博している。その名の通り、木の小枝を模した細長いスティック状をしており、サクサクとした米パフと香ばしいクラッシュアーモンドがミルクチョコレートの中にたっぷりと練り込まれた、クランチチョコレートの一種である。基本的な配合には卵やピーナッツは含まれていないが、製造ラインにおいてはこれらのアレルゲンを含む他の製品と共通の設備が使用されている。

歴史と展開

「小枝」は1971年に誕生し、日本のチョコレート市場における定番商品の一つとなった。当初の包装形態から進化を遂げ、2004年からは4本入りの小袋が複数個入ったパックが主流となり、携帯性や手軽さが増した。さらに遡ること1988年には、大人数での消費や家庭でのストックに適した大袋タイプの「ティータイムパック」が登場し、多様なニーズに対応している。近年では企業のサステナビリティへの取り組みとして、2020年にバリーカレボー社が提供する「ココアホライズン認証カカオ」の使用を開始。これは、カカオ生産者の生活向上や環境保護を目指すプログラムに基づくものである。これと並行して、包装材料も環境負荷を低減する素材へと変更されており、時代に合わせた製品改良が進められている。

名前とロゴの由来

商品名の「小枝」については、興味深い由来が語られている。1960年代後半に世界中でミニスカートブームを巻き起こしたイギリスのスーパーモデル、ツイッギー（Twiggy）が来日したことがヒントになったという説が有力視されている。彼女の愛称であるTwiggyが英語で「小枝」を意味することから名付けられたと言われている。また、長年にわたりパッケージに描かれている特徴的な筆文字の「小枝」ロゴは、発売当初のデザインを担当したデザイナーの母親が書いたものと伝えられている。

商品ラインナップ

中核となる定番商品は、変わらぬ美味しさで人気の「小枝〈ミルク〉」である。これに加え、お得な大袋の「小枝〈ミルク〉ティータイムパック」、そしてより小さなサイズの「ベビー小枝〈ミルク〉」が2018年から展開されている。

期間限定や過去に発売された商品も非常に豊富で、多様なフレーバーや形態が登場している。ホワイトチョコレートを使用した「白い小枝」は、かつて「白樺の小枝」という名称で親しまれた歴史を持つ。ビターチョコレートにビスケットクランチを加えた「小枝ビター」などもラインナップに加わったことがある。また、通常の小枝よりも大きく食べ応えのあるバータイプとして、「大樹の小枝」（2008年発売、後に「小枝バー」に改称）や、ホワイトチョコ、ラングドシャ、カシューナッツを組み合わせた「白い大樹の小枝」（2010年発売）なども登場した。1995年から2010年頃にかけては、細身のスティックタイプも販売されていた。

2000年代に入ると、季節やトレンドを取り入れた様々な期間限定フレーバーが続々と登場した。例えば、フルーツ系では「採れたて苺」「マンゴー」「欧州いちご」「アーモンドが香る苺」「ブルーベリーヨーグルト＆コーンミルク味」、ナッツ系では「ピスタチオ」、和の素材を使った「深み抹茶」「甘露和栗」「紅東（べにあずま）スイートポテト」「黒糖のブリュレ」「黒ごま」などがある。さらに、飲料やデザートをイメージした「クリーミーココア」「ブルターニュキャラメル」「ショコラタルトレット」「アッフォガード」「チョコレートフォンデュ」「ホワイト・ラテ」「ヴァニーユ」「夏のココア」「ザッハトルテ」「エチオピア･モカ」「祁門紅茶（キーマンティー）」といったユニークなフレーバーも発売されている。2008年には、朝と夜をテーマにした「小枝モーニングタイム」と「小枝イブニングタイム」が登場した。2009年には森永ココア発表90周年記念として「純ココア」味が、2010年には「バニラ」味が発売された。また、バレンタインシーズン向けの濃厚な味わいを追求した「小枝 大人のくちどけ」が2015年に限定発売され、そのコンセプトは後に「小枝プレミアム」（2016年～2017年）、「小枝スペシャリーゼ」（2019年～）といったプレミアムラインへと引き継がれている。さらに、ユニークな形状の変化として、球状の「小枝ボール」（2011年, 2014年）も発売されたことがある。菓子という枠を超えた展開としては、2015年にシリーズ初となる飲料製品「小枝チョコレートドリンク」が期間限定で登場した。

個包装デザイン

一時期、個包装パッケージのデザインにも特別な趣向が凝らされたことがある。2009年秋から2010年夏にかけて展開された「刺繍の動物園」シリーズでは、16種類の可愛らしい動物たちの刺繍イラストが描かれ、パッケージを集める楽しさが提供された。

テレビコマーシャル（CM）

「小枝」のCMは、発売当初から「高原の小枝を大切に」というキャッチフレーズが代々使用されることが多く、多くの人々の記憶に残っている（ただし、演出上の都合で使われない場合もある）。歴代のCMには、栗田ひろみ、ザ・リリーズ、タケカワユキヒデ（ゴダイゴ）、Char、真田広之、仲村トオル、観月ありさ、小山田圭吾、松嶋菜々子、夏帆といった著名なタレントやアーティストが多数出演している。特に印象的なものとしては、1990年代後半に森田剛と風間俊介が出演し、商品名を誤って「小技（こわざ）」と読んでしまうコミカルなCMが放送されたことがある。2010年からは夏帆がメインキャラクターを務める「♪小枝していこう♪」編などが放送されている。

その他エピソード

タレントの片岡鶴太郎氏のブレイクのきっかけとなった形態模写芸「小森のおばちゃま」は、1971年当時の「小枝」のCMでナレーションを担当していた小森和子氏の口癖を真似たことがヒントになったと言われている。また、関西を中心に活躍する落語家の桂小枝氏が2012年に開催した全国ツアー「小枝のらくご 全国ツアー2012」では、森永製菓との共同企画として、来場者に「小枝」が無償で配布されるというコラボレーションが行われた。現在の「小枝」の定番パッケージには、可愛らしいシマエナガのイラストが枝に止まっている様子が描かれており、多くの消費者に愛されている。

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