小谷温泉

小谷温泉について

小谷温泉は、長野県北安曇郡小谷村に位置する歴史ある温泉地です。妙高戸隠連山国立公園内にあり、豊かな自然に囲まれています。古くから湯治場として利用され、地域の人々や遠方からの旅行者に愛されてきました。

泉質

小谷温泉は複数の源泉を持ち、その泉質は多様です。1993年の時点では、含食塩重曹泉、炭酸水素塩泉、アルカリ泉といった異なる泉質の源泉が確認されています。主な泉質はナトリウム-炭酸水素塩泉で、元湯は摂氏45度、新湯は摂氏48度で自然湧出しています。これらの泉質は、神経痛や筋肉痛、疲労回復などに効果があるとされています。

温泉街の様子

かつては3軒の旅館が存在していましたが、現在では日本秘湯を守る会に加盟する大湯元「山田旅館」一軒のみが営業しています。山田旅館は、江戸時代に建てられた本館をはじめとする6棟が、国の登録有形文化財に登録されており、歴史的な価値も高いです。また、小谷温泉のさらに奥には「雨飾荘」があり、こちらは雨飾山への登山拠点としても利用されています。

小谷温泉の歴史

小谷温泉の歴史は古く、弘治2年（1554年）に平倉城の合戦の際、飯森盛春の家臣が発見したという伝承があります。また、武田信玄の隠し湯であったという説も存在します。寛政2年（1790年）の記録によると、年間980人以上が利用していたことがわかります。農閑期には湯治場として賑わい、糸魚川方面からも湯峠を越えて湯治客が訪れました。特に日本海に面する能生の漁師たちは、骨休めのために小谷温泉を訪れるのが習慣だったと伝えられています。彼らは食料を持ち込み、一週間から十日間ほど滞在していました。明治時代には、ドイツで開催された万国霊泉博覧会に、登別温泉、草津温泉、別府温泉とともに小谷温泉も出展されました。

中土村役場文書によると、大正時代には1914年に13,580人、1918年には29,585人もの利用者がいたと記録されています。近代以降には、民俗学者の折口信夫、詩人の田中冬二、登山家の深田久弥などの著名人も訪れています。

昭和に入ると、1954年に松本電鉄バスが小谷温泉まで運行を開始し、1971年には厚生省により国民保養[[温泉地]]に指定されました。1974年には小谷村が新たな源泉を開発し、村営の雨飾荘を開設しました。その後、林道妙高線が開通し、自動車でのアクセスも容易になりました。

アクセス

鉄道

• - JR大糸線南小谷駅から小谷村営バス小谷線で約40分
• - JR大糸線中土駅から小谷村営バス小谷線で約30分

自動車

• - 北陸自動車道糸魚川ICから約50分

関連項目

• - 妙高戸隠連山国立公園

外部リンク

• - 秘湯名湯めぐり 小谷村

小谷温泉は、その豊かな自然と歴史、そして良質な温泉で、訪れる人々を癒し続けています。

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