尹吉重

尹吉重の生涯と政治活動

尹吉重（ユン・ギルジュン、いん きつじゅう）は、1916年9月11日（陰暦で8月14日）に生まれ、2001年10月11日にこの世を去った韓国の政治家であり、優れた弁護士です。本貫は坡平尹氏に属し、号は青谷です。彼は革新政党、進歩党の幹事長を務めたことで知られ、全斗煥政権下では与党議員としても活動するなど、変化に富んだ政治生活を送りました。通算で6期の国会議員を務め、政治の舞台で幅広い経験を持っています。

幼少期と教育

尹は咸鏡南道北青郡に生まれました。彼の学びの道は、江原道原州郡の文幕普通小学校から始まり、その後京城法政学校を経て日本大学へと進みました。在学中に朝鮮弁護士試験に合格し、法律の道を歩むことになりました。また、高等文官試験にも合格し、朝鮮総督府でのキャリアをスタートさせることとなります。

政治家としてのキャリア

尹は朝鮮総督府において、康津郡守や務安郡守を歴任した後、1945年2月からは朝鮮総督府の学務局事務官として働きました。解放後、彼は国民大学の教授に就任し、立法議院専門委員や中央選挙委員会の宣伝部長、国会法制調査局長など、多くの重要な役職を管理しました。1950年の総選挙では江原道から国会議員に当選し、その後の進歩主義勢力の政治運動に参加しました。

進歩党の結成後、尹は幹事長として活動を開始しますが、1958年に発生した進歩党事件で逮捕されます。彼は大法院で無罪判決を受けたものの、曺奉岩などの他の指導者は厳しい処罰を受け、進歩党は解散に追い込まれました。

四月革命後、尹は社会大衆党から民議院議員に選出されますが、5・16軍事クーデターの際に北朝鮮に同調した容疑で再び逮捕されました。翌年には革命裁判所により懲役15年を宣告され、7年後の1968年にようやく釈放されました。その後、1971年の総選挙で新民党から国会議員に選出され、新たな政治の舞台に戻ります。

晩年と遺族の活動

その後、全斗煥の粛軍クーデターによって尹は政権側に転身し、国家保衛立法会議の法曹界代表として任命されました。このことをきっかけに、彼は与党政治家としての道を進むことになります。民主正義党結党委員を経て、国会議員を3期にわたり務め、1983年には国会副議長、1990年には民主自由党の常任顧問を務めるなど、政治の中心で活動を続けました。

尹が2001年に亡くなった後、彼の遺族は革命裁判の再審を請求し、無罪判決を受けました。この過程で、彼の遺族は国家相手に損害賠償訴訟も提起し、2014年には合計5億5千600万ウォンの国家賠償の支給という一部勝訴判決を得ることができました。尹吉重の人生は、政治家としてだけでなく、法曹としても影響力を持った多面的な人物でした。彼の功績や活動は、韓国の歴史において重要な意義を持っています。

もう一度検索