山口田主

山口 田主（やまぐち の たぬし）

山口 田主は、奈良時代に活躍した官人であり、算道家でもある。姓は忌寸で、位階は正六位上に位置していた。彼の業績や役割は、皇太子教育や算術の普及に大きな影響を与えた。特に、田主は教育に熱心で、後進の指導にも力を入れていた。

経歴

田主の活動は養老5年（721年）に始まる。この年、彼は佐為王や山上憶良と共に、当時の皇太子・首皇子（後の聖武天皇）の教育係に任命された。これは皇族に対する重要な任務であり、彼の教育者としての職務が高く評価されていたことを示している。

同年9月、元正天皇は宮中の祝賀において、学業に優れた者たちに特別褒賞を授けることを決定した。この褒賞は、後進に対する励みとするために授与されましたが、田主は志斐三田次と共に算術に優れた業績を讃えられ、絹や麻、鍬などの物品を与えられた。この時点ですでに田主は、算道の達人として知られており、彼の名声は徐々に広がっていた。

天平2年（730年）には、老齢の諸博士から学業の教授を引き継ぐこととなった。この際、田主は志斐三田次と共に2人の弟子を受け入れ、算道を教え始めるよう命じられた。彼の指導を受けた弟子たちは、将来的にさらなる発展を遂げることとなった。このように、田主は算術の教育と普及に大いに貢献した。

家族

田主の家族については詳細が不明であり、父母や妻の名前も伝わっていない。ただし、彼には山口佐美麻呂という息子がいることが知られている。おそらく、彼の家系はその後も続いていたと考えられるが、具体的な記録は残っていない。

参考文献

山口田主に関する詳細な情報は、宇治谷孟の『続日本紀（上）』や宝賀寿男の『古代氏族系譜集成』などの文献に記載されている。これらの資料は、奈良時代の政治や文化、教育に関する貴重な情報を提供しており、田主の業績を理解する上で重要な参考となる。

関連項目

彼のように学業を重視する立場にあった得業生についても興味深い話が多い。得業生は、当時の日本における学問の普及を担う重要な役割を果たしており、田主の影響を受けた人々の姿が見え隠れする。

山口 田主は、記録には残らない側面も多いが、彼の業績を通じて当時の教育や算術などの重要性を理解することができる。

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