山名義鶴

山名義鶴の生涯と業績

山名義鶴（やまな よしつる）は1891年9月17日に青森県で生まれ、1967年2月26日に亡くなった大正・昭和時代の社会運動家です。彼は男爵として政治・教育に深く関与した人物であり、貴族院議員や社会問題研究所の活動を通じて社会の変革を目指しました。

幼少期と教育

男爵山名義路の嫡男として生まれた義鶴は、母トヨと共に青森県で育ちましたが、後に京都府京都市に転居しました。京都府立第五中学校、さらに第三高等学校に進学し、その間に友人とともに進歩的な学生運動を展開しました。特に、同級生の麻生久や棚橋小虎とともに「縦横会」を組織し、酒井校長弾劾運動などの活動を通じて学生の権利を主張しました。

大学時代と活動の開始

その後、東京帝国大学法科大学に進み、新人会での活動を通じて研究や意見交換を行いました。1917年に帝国大学を卒業すると、麻生の家で棚橋・岸井寿郎らとともに社会問題研究会を立ち上げるなど、社会問題に対する意識が芽生え始めました。1920年には大原社会問題研究所で研究員としてのキャリアをスタートさせ、1922年には大阪労働学校の設立に参加し、講師として後進の指導を行いました。

政治活動と社会運動

1924年には日本労働総同盟中央委員会の政治部顧問に就任し、労働問題への積極的な関与を示しました。しかし、2年後の総同盟第2次分裂では、日本労農党を立ち上げるなど、政治の舞台にも顔を出すようになります。1928年には日本大衆党中央委員に選出され、1932年には全国労農大衆党に参加しましたが、国家社会主義を支持する立場を取ることになり離党。その後、日本国家社会党の常任中央執行委員にも就任しました。

貴族院議員としての活動

1940年に男爵家を襲爵した後、1946年8月には貴族院議員として当選し、1947年5月の貴族院廃止まで活動を続けました。この時、公正会に所属しながら、平和で公正な社会の実現を目指して努力しました。戦後も彼の活動は続き、1947年の総選挙に兵庫県第5区から日本社会党公認で出馬しましたが、次点で落選し、その後公職追放処分を受けることになりました。

復帰とその後の人生

1948年に追放が解除されると、義鶴は仏教圏協会の理事長や大阪厚生信用金庫の理事、公安審査委員会の委員として再び社会へ貢献しました。1956年には日本労働者教育協会の主宰者となり、労働者教育の大切さを広める活動を展開しました。また、日本社会党の右派政策の支持に関与し、民主社会党の結成にも関与しました。

彼の遺産

法名は慶雲院殿慈光義鶴大居士であり、青山霊園や兵庫県美方郡香美町の御殿山御廟に墓所があります。彼の家系は但馬村岡藩の流れを汲むもので、弟の義亀や娘の京子が家をつぐこととなりました。

山名義鶴は生前叙勲の話もありましたが辞退し、民主社会党葬の申し入れには家族が断る一方で、葬儀委員長には民主社会党委員長が就任しました。彼の業績は現在も多くの人々に影響を与え続けています。

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