岩崎彦弥太

岩崎彦弥太の生涯

岩崎彦弥太は、1895年9月15日に東京で生まれ、1967年9月8日に71歳で生涯を閉じました。三菱[[財閥]]の創業者一族である岩崎家の出身で、父は三菱合資会社の社長を務めた岩崎久弥です。彦弥太は、名門の学校で教育を受け、東京帝国大学文学部社会学科を卒業しました。

学歴と留学

1908年に東京高等師範学校附属小学校（現在の筑波大学附属小学校）を卒業後、1913年に東京高等師範学校附属中学校（現在の筑波大学附属中学校・高等学校）を卒業しました。旧制学習院高等科を経て、1920年に東京帝国大学文学部社会学科を卒業。大学院に進学しましたが、1922年に英国へ留学しました。

三菱合資会社でのキャリア

帰国後の1926年に三菱合資会社に入社し、1934年には副社長に就任しました。三菱[[財閥]]傘下の企業の取締役も兼任し、その経営手腕を発揮しました。戦前の長者番付では常連で、1939年には日本一の納税額を記録するなど、三菱[[財閥]]内で大きな影響力を持っていました。

戦後の転換

太平洋戦争後、1947年にGHQによる財閥解体政策によって、父の久弥、弟の隆弥、恒弥とともに財閥家族に指定され、すべての役職を辞任しました。1953年には三菱地所の取締役に就任し、再び三菱グループに関わることになりました。しかし、1945年に縁戚の小弥太が亡くなったことで、三菱本社社長の地位が約束されていたにもかかわらず、公職追放により、その地位を船田一雄に譲らざるを得なくなりました。

家族と親族

彦弥太の妻・操子は、佐竹東家（旧秋田藩主佐竹氏の分家）の佐竹義準男爵の三女です。操子の兄である佐竹義利は、三菱系の東洋製作所の社長を務めました。彦弥太と操子の間には、1男3女がおり、長男の寛弥は、三菱銀行取締役を経て小岩井農牧の親会社である東山農事の社長を務めました。

長女の勢津子は国広逹宜と結婚、次女の昭子は三菱商事の山村泰弘と結婚、三女の美智子は実業家の近藤賢二の孫である高島孝之と結婚しました。建築家の国広ジョージは、彦弥太の孫にあたります。また、三菱ガス化学の山村裕紹や麒麟麦酒執行役員の高島義彦も彦弥太の孫です。

高島孝之の姪は増岡組の増岡隆一に嫁いでいますが、増岡隆一の従姉が三菱鉛筆社長の数原英一郎と結婚しています。このため、三菱[[財閥]]と直接的な関係がない三菱鉛筆ですが、岩崎家と数原家は姻戚関係で繋がっています。

彦弥太の義父である佐竹義準は、平戸藩主松浦詮の四男として生まれ、佐竹東家の養子となりました。また、佐竹義準の三兄である稲葉正縄の娘が郷純造の九男に嫁いでおり、郷純造の四男は岩崎弥太郎の養子となっています。このことから、岩崎家と郷家は二重の姻戚関係にあることがわかります。

妹の美喜は、外交官の沢田廉三と結婚し、戦後はエリザベス・サンダースホームを開設しました。

系譜

岩崎彦弥太の家系図は、三菱[[財閥]]の歴史と深く結びついており、政財界に多くの影響を与えました。彼の生涯は、日本の近代史における財閥の隆盛と解体を象徴するものであり、その家族関係もまた、複雑で興味深いものです。

参考文献

『人事興信録 第14版 下』 人事興信所、1943年
佐藤朝泰 『門閥 旧華族階層の復権』 立風書房、1987年
神一行 『閨閥 - 新特権階級の系譜』 講談社、1993年
「三菱最強伝説」 『週刊ダイヤモンド』2016年1月30日号 ダイヤモンド社

関連項目

筑波大学附属中学校・高等学校の人物一覧
財閥
* 政商

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