岩村田宿

中山道 岩村田宿

岩村田宿は、中山道六十九次のうち江戸から数えて22番目に位置する宿場町です。現在の長野県佐久市岩村田一帯にありました。岩村田藩1万5千石の城下町として、また商業の町として発展しました。

特徴

岩村田宿は、宿場の本陣が一度大破して以降、再建されることがありませんでした。そのため、本陣の機能を代替する施設として、龍雲寺、西念寺、法華堂などの古刹や、割元邸が利用されていました。また、旅籠の数も最盛期でわずか8軒と、他の宿場に比べて少ないのが特徴です。

天保14年（1843年）の『中山道宿村大概帳』によれば、岩村田宿の宿内家数は350軒、宿内人口は1637人でした。佐久地方から山梨県韮崎に通じる佐久甲州街道の信州側の起点でもあり、交通の要衝としての役割も担っていました。

歴史

1604年（慶長9年）：岩村田の鵜縄沢と砂田に一里塚が築かれました。
1611年（慶長16年）：伝馬が始まりました。
1633年（寛永10年）：街道が「荒宿」から「本町」に変更され、道幅が二間半となりました。
1650年（慶安3年）：参勤交代の行列が初めて岩村田宿を通りました。
1729年（享保14年）：家数314軒、伝馬屋敷205軒、人数1822人、馬2匹、商人8人となりました。
1742年（寛保2年）：宿場に用水堰が完成しました。
1783年（天明3年）：浅間山の天明大噴火が発生し、多くの難民が岩村田宿に避難しました。また、上州から米騒動が発生し、暴徒が乱入して宿場各所を荒らし、上田藩によって鎮圧されました（梵天騒動）。
1843年（天保14年）：岩村田宿の町並みの長さが9丁30間となりました。
1843年（天保14年）：『中山道宿村大概帳』によれば、岩村田宿の宿内家数は350軒、旅籠は8軒、宿内人口は1,637人でした。
1861年（文久元年）：和宮降嫁のため岩村田宿を通行しました。
1868年（慶応4年）：官軍の東山軍が宿場を通過しました。
1872年（明治5年）：伝馬・助郷が廃止されました。全国中牛馬会社岩村田支店が通常荷物取引を開始しました。
1876年（明治9年）：中山道が国道に、甲州道が県道となりました。

宿場史跡

一里塚：鵜縄沢には片方の塚だけが残っています。砂田の塚は現存していません。
常夜燈：住吉神社、若宮八幡、行人塚などに残っています。

最寄り駅

JR小海線 岩村田駅
JR北陸新幹線・小海線 佐久平駅から車で約5分

隣の宿

中山道：小田井宿 - 岩村田宿 - 塩名田宿
佐久甲州街道：岩村田宿 - 野沢宿

参考文献

「信州の文化シリーズ 街道と宿場」信濃毎日新聞社 1980年

外部リンク

佐久市のウェブサイト'>岩村田宿 - 佐久市ウェブサイト
長崎大学附属図書館のデータベース'>中山道岩村田の宿場 - 長崎大学附属図書館 幕末明治期日本古写真メタデータ・データベース

もう一度検索