川副町

川副町（かわそえまち）

川副町は、かつて佐賀県の南東端に位置していた町です。2007年10月1日に佐賀市に編入され、「佐賀市川副町」となりました。町域には佐賀空港があり、「空港都市 - エアフロントシティ川副」というキャッチフレーズで親しまれていました。快適で豊かで、和やかな町というイメージが強調されていました。

地理

川副町は佐賀県の南東端に位置し、佐賀市の南に隣接していました。南側は有明海に面し、東側は筑後川河口の西岸で福岡県と接しています。町域全体が筑紫平野（佐賀平野）に含まれ、その大部分は干拓によって作られた土地です。そのため、平坦で起伏の少ない地形が特徴です。

筑後川河口には三角州があり、その南半分も川副町（大詫間）に属していました。大詫間もまた、長年の干拓によって造成された地域です。三角州の北半分は福岡県大川市大野島地区となっています。

早津江川は筑後川水系であり、三角州から西へ分岐して有明海に注いでいます。川副町早津江は、この早津江川の西岸に位置する地区名です。

河川:
筑後川
早津江川（筑後川水系）
八田江

湖沼:
佐賀平野特有のクリークと呼ばれる堀が多数存在します。

隣接していた自治体:
佐賀県:
佐賀市
佐賀郡東与賀町
福岡県:
大川市
柳川市

歴史

近世以前

室[[町時代]]には、在地領主の鹿江氏らがこの地を治めていました。戦国大名龍造寺隆信が亡命先の筑後国から帰還を果たした地でもあります。江戸時代には佐賀藩の直轄領となり、藩主鍋島氏の外戚家門である石井氏に与えられました。石井氏は番所を設置し、明治維新までこの地を支配しました。幕末には、藩営の三重津海軍所が設置され、藩海軍の拠点となりました。

近現代

1943年（昭和18年）4月7日 - 有明海でウミタケ漁をしていた漁業者が大量遭難し、約70人が死亡しました。
1953年（昭和28年）6月25日〜27日 - 豪雨により佐賀平野のほとんどの河川の堤防が決壊し、県内各地に甚大な被害をもたらしました（昭和28年水害）。川副地区の水田は泥海と化し、植えたばかりの稲が全滅しましたが、救援苗が鹿児島県などから送られ、田植えをやり直しました。
1958年（昭和33年）10月1日 - 南川副中学校、西川副中学校、中川副中学校が統合され、川副中学校が発足しました。大詫間中学校は翌年3月31日に廃校となりました。
1974年（昭和49年）2月5日 - 大詫間の「山口家住宅」が国の重要文化財に指定されました。
1976年（昭和51年）9月19日〜22日 - 佐賀国民体育大会（若楠国体）の水球競技が川副町民プールで開催されました。
1983年（昭和58年）12月10日 - 川副大橋が開通し、大詫間地区への上水道送水が開始されました。
1990年（平成2年）10月16日 - 早津江橋が開通しました。
1996年（平成8年）3月28日 - 山口家住宅公園が完成しました。
1998年（平成10年）7月28日 - 有明海に有明佐賀空港が開港しました。
2004年（平成16年）3月31日 - 佐野常民記念館が竣工しました（2021年9月25日に「佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館」としてリニューアル）。

行政区域の変遷

1889年（明治22年）4月1日 - 町村制施行により、佐賀郡に南川副村・中川副村・大詫間村・西川副村が成立しました。
1953年（昭和28年）4月1日 - 南川副村が町制施行し、南川副町となりました。
1955年（昭和30年）4月1日 - 南川副町・中川副村・大詫間村が合併し、川副町が発足しました。
1956年（昭和31年）9月30日 - 西川副村が川副町に編入されました。
2007年（平成19年）10月1日 - 東与賀町・久保田町とともに佐賀市に編入されました。

字の変遷

字の変遷に関する詳細な情報はありません。

行政

歴代町長

歴代町長の情報は省略します。

警察

諸富警察署（佐賀市諸富町）
犬井道交番（川副町鹿江）
早津江駐在所（川副町早津江）
大詫間駐在所（川副町大詫間）
佐賀空港警備派出所（川副町犬井道）

消防

佐賀広域消防局の管轄下にあります。
南部消防署（川副町鹿江）

経済

産業

平野の地形と干拓地を利用した米、大麦、小麦などの栽培と、有明海沿岸での海苔の養殖が主な産業です。

漁業

海苔と海産物漬物が特産品です。
川副町には以下の漁港があります。
戸ヶ里漁港（戸ヶ里地区）
戸ヶ里漁港（早津江地区）
戸ヶ里漁港（大詫間地区）
戸ヶ里漁港（三軒屋地区）
広江漁港

※平成8年1月10日に、各漁港の名称が変更されましたが、地元では通称として旧名称が使用されています。

本社を置く企業

スーパーモリナガ

支店を置く銀行

佐賀銀行 - 犬井道支店（川副町犬井道）
佐賀共栄銀行 - 川副支店（川副町鹿江）
佐賀信用金庫 - 早津江支店（川副町鹿江）

郵便局

集配局:
早津江郵便局 (840-2299)

無集配局:
川副南郵便局 (840-2213)
大詫間郵便局 (840-2211)
川副西郵便局 (840-2205)

姉妹都市・提携都市

国内

旧臼田町（長野県）
佐野常民と大給恒が博愛社（のちの日本赤十字社）を創設した縁による。

地域

教育

中学校
川副町立川副中学校（現在は佐賀市立川副中学校）

小学校（編入後はいずれも佐賀市立小学校）
川副町立南川副小学校
川副町立西川副小学校
川副町立中川副小学校
川副町立大詫間小学校

幼稚園
大詫間幼稚園(2017年に現博愛の里こども園と合併)
海童幼稚園
川副西幼稚園
小鹿幼稚園
博愛の里こども園
鳳鳴乃里幼稚舎

学校教育以外の施設
農業者研修教育施設
佐賀県農業大学校
保育所
川副町保育園
みなみ保育園

交通

空港

佐賀空港（九州佐賀国際空港）
国内線
国際線

鉄道路線

町内を鉄道路線は通っていません。最寄りの鉄道駅は佐賀駅のほか、福岡県柳川市にある西鉄柳川駅も利用されています。

バス路線

佐賀市交通局（番号は行先番号）
20: 佐賀市〜佐賀市諸富町経由〜川副町早津江
23: 佐賀市〜川副町（咾分〜和崎〜大詫間）
25: 佐賀市〜東与賀町〜川副町（広江〜咾分〜和崎）
佐賀市〜東与賀町〜川副町咾分〜佐賀空港（川副町）
西鉄バス久留米
柳川市〜大川市〜川副町早津江

道路

一般国道
国道444号

県道
主要地方道
福岡県道・佐賀県道18号大牟田川副線
佐賀県道30号佐賀川副線
佐賀県道48号佐賀外環状線
佐賀県道49号佐賀空港線
一般県道
佐賀県道・福岡県道140号大詫間大川線
佐賀県道285号大詫間光法停車場線
佐賀県道313号飯盛戸ヶ里港線

船舶

町内には漁港しかなく、川副町を発着する一般旅客航路はありません。

観光・文化

名所・旧跡

山口家住宅（国の重要文化財） - 川副町大詫間。じょうご造りの農家です。
佐野記念公園
佐野常民記念館 - 川副町早津江津。日本赤十字社の創始者、佐野常民の記念館です。
三重津海軍所跡 - 川副町早津江。歴代佐賀藩主の御用船を置く船蔵がありました。
鳥類供養塔 - 川副町福富（米納津）
佐賀空港コスモス園、わた畑
川副さくらロード
龍造寺隆信像と燈堂（あかしどう）

祭事・催事

春まつり（4月） - 海童神社、松枝神社、志賀神社など町内7社で開催されます。
川副町観光海開き（4月）
干潟探検隊ガタベンチャー（4月）
川副町観光潮干狩り（4月〜5月） - アサリ、アカガイが主で、町内の5漁港から乗船します。
観光釣り船（4月〜8月）
祇園（夏祭り）（7月） - 海童神社、志賀神社で開催されます。
観光遊覧船（6月〜8月）
海童神社奉納浮立、松枝神社奉納浮立（10月）
佐野祭（12月）

出身有名人

佐野常民（博愛社（のちの日本赤十字社）の創始者、佐賀の七賢人の1人）
池田直（佐賀県知事を1959年4月23日〜1979年4月22日（5期）務める）
田原輝（画家）
深川善次（画家）
吉田進一（画家）
大隈武夫（画家）
内田広己（画家）
岡康道（クリエイティブディレクター、CMプランナー、コピーライター。タグボート。）
本村健太郎（弁護士、俳優）
福岡資麿（政治家、参議院議員、第28代厚生労働大臣）

脚注

脚注は省略します。

関連文献

川副町誌 (昭和54年2月28日発行)（佐賀市 行政資料コーナー）

関連項目

佐賀県の廃止市町村一覧

外部リンク

川副[町]
川副町商工会(リンク切れ)
ドロンパ王国(リンク切れ)
佐賀市・川副町・東与賀町・久保田町合併協議会(リンク切れ)
佐賀市ホームページ(リンク切れ)
川副町ホームページ（2007/09/26アーカイブ） - 国立国会図書館Web Archiving Project(リンク切れ)

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