平戸 (海防艦)

海防艦 平戸（ひらと）

平戸は、大日本帝国海軍が太平洋戦争中に運用した海防艦です。日立桜島工場で建造され、1943年9月に竣工しました。公式には占守型海防艦の13番艦とされていますが、一般的には択捉型海防艦の9番艦として知られています。艦名は長崎県の平戸島に由来し、帝国海軍の艦船としては、筑摩型防護巡洋艦「平戸」に続いて二代目となります。

概要

平戸は、主に船団護衛任務に従事しました。竣工後、横須賀防備隊に所属し、その後第二海上護衛隊に編入され、横須賀と中部太平洋方面を結ぶ船団護衛を担当しました。1944年3月からは松輸送にも従事し、5月には第一海上護衛隊の指揮下に入りました。

1944年8月中旬には、ヒ71船団の護衛に参加し、船団部隊旗艦として空母大鷹や特務艦速吸などの沈没に遭遇しました。復路のヒ72船団護衛中、9月12日にアメリカ潜水艦グロウラーの雷撃を受け、駆逐艦敷波や他の船舶と共に撃沈されました。

艦歴

竣工まで

平戸は、マル急計画の海防艦甲型、第310号艦型の9番艦として計画され、仮称艦名第318号艦とされました。1942年11月2日に大阪鉄工所桜島工場で起工し、1943年5月25日に「平戸」と命名されました。本籍は横須賀鎮守府と仮定され、占守型海防艦に類別されました。6月30日に進水し、8月25日には艤装員事務所が設置され、瀬川岩雄少佐が艤装員長に着任しました。9月28日に竣工し、瀬川少佐はそのまま平戸海防艦長となりました。

昭和18年の行動

竣工後、平戸は横須賀で訓練を行い、その後神戸に移動しました。10月4日には、貨物船「玉洋丸」を護衛して神戸を出港し、長浦、室蘭を経由して再び長浦に戻りました。その後、複数の船団護衛任務に従事し、11月1日には第二海上護衛隊に編入されました。

11月13日には、駆逐艦「雷」と共に輸送船団を護衛して横須賀を出港し、トラック泊地へ向かいました。12月5日には、海防艦「御蔵」と共に4205乙船団を護衛してトラックを出港しましたが、この船団はアメリカ潜水艦ポーギーの攻撃を受け、特設運送船「総洋丸」が撃沈される被害を受けました。

12月25日には、3225船団を護衛して横須賀を出港し、トラック泊地へ向かいましたが、途中で輸送船「葛城山丸」が味方機雷により沈没しました。

昭和19年の行動

1944年1月には、第4111船団を護衛してトラックを出港し、横須賀へ帰還。1月25日には、第3125甲船団を護衛して横須賀を出港しましたが、この船団もアメリカ潜水艦スピアフィッシュの雷撃により輸送船「玉島丸」が沈没しました。

2月にはトラックからサイパンを経由して横須賀に戻りました。3月上旬からは松輸送に従事。3月12日には、軽巡洋艦「龍田」などを擁する東松二号船団を護衛し、サイパン・グアム方面へ向かいましたが、この船団はアメリカ潜水艦の攻撃を受け、「龍田」と輸送船「国陽丸」が沈没しました。平戸は生存者の救助にあたりました。

3月22日には、軽巡洋艦「夕張」を旗艦とする東松三号輸送船団に加わり、東京湾を出撃。この船団もアメリカ潜水艦の攻撃を受け、駆潜艇が撃沈されました。

4月にはパラオ行きの船団に加わり、その後サイパンに避退。5月15日には第一海上護衛隊の作戦指揮下に入りました。5月28日には、マユ02船団を護衛してマニラを出港し、楡林へ向かいました。6月3日にはテ06A船団を護衛して楡林を出港し、門司へ帰還しました。

6月20日には、ヒ67船団を護衛して門司を出港し、マニラへ向かいました。7月14日には、ヒ68船団を護衛してシンガポールを出港しましたが、この航海中に第一海上護衛隊に編入されました。この船団はアメリカ潜水艦の攻撃を受け、複数の輸送船が沈没・損傷する被害を受けました。

8月10日には、ヒ71船団を護衛して伊万里湾を出港しましたが、この船団もアメリカ潜水艦の攻撃を受け、空母「大鷹」、給油艦「速吸」を含む多数の艦船が沈没するという甚大な被害を受けました。平戸は船団旗艦として、この混乱の中で護衛任務を続けました。

沈没

9月6日、平戸はヒ72船団を護衛してシンガポールを出港しました。9月12日未明、アメリカ潜水艦グロウラーの雷撃を受け、平戸は撃沈されました。この攻撃で、第六護衛船団司令官の梶岡定道少将、海防艦長の瀬川岩雄少佐以下乗員多数が戦死しました。平戸の沈没地点は、海南島東方沖、北緯18度15分 東経114度20分です。

1944年11月10日、平戸は帝国海防艦籍と占守型海防艦から除かれました。平戸の艦名は、海上自衛隊の掃海艇「ひらど」に引き継がれました。

海防艦長

艤装員長：瀬川岩雄 少佐（1943年8月25日 - 1943年9月28日）
海防艦長：瀬川岩雄 少佐（1943年9月28日 - 1944年9月12日、戦死により海軍中佐に特進）

脚注

注

(ここに注釈が入る可能性があります。)

出典

(ここに参考文献の出典が入る可能性があります。)

参考文献

（参考文献リストは省略）

関連項目

平戸島
平戸 (防護巡洋艦)
ひらど (掃海艇)
ひらど (掃海艦)

外部リンク

海防艦平戸
平戸 - ウェイバックマシン
* Hirato（英語）

もう一度検索