平標山

平標山（たいらっぴょうやま）

平標山は、新潟県南魚沼郡湯沢町と群馬県利根郡みなかみ町の境界にそびえる標高1,983.8メートルの山です。山頂の平坦な形状が名前の由来であり、「標」は上越国境を示す意味を持っています。

特徴

位置: 三国山脈の谷川連峰主稜線の西端に位置し、縦走コースの重要な拠点となっています。東の仙ノ倉山、南の三国山へと続く登山道の分岐点です。
山頂: 広くなだらかで、チシマザサや様々な高山植物に覆われています。360度のパノラマが広がり、周囲の山々を一望できます。
登山道:
仙ノ倉山からの縦走路（主脈）
松手山からの登山道（松出ルート）
平標山の家からの登山道（三国山方面への縦走路）
土樽からの登山道（平標新道）
上記のように複数のルートがあり、体力や経験に合わせて選べます。
平標山の家: 三国山方面への縦走路と平元新道の合流地点にあり、宿泊も可能です（夏山シーズンのみ営業）。水場（仙平清水）、平標の鐘、大山祇神社、避難小屋（冬季利用可）が併設されています。
その他: 越後百山、新潟100名山、ぐんま百名山、花の百名山に選定されており、「ぐんま県境稜線トレイル」の一部にもなっています。上信越高原国立公園に属し、豊かな自然が保護されています。

登山ルート

土樽（北麓）から: 毛渡沢出合から渡渉点（平標尾根取り付き）を経て、矢場の頭、山頂へと至るルート（平標新道）。約5時間5分。
三国（西麓）から:
平標登山口から林道終点、平標山の家を経て山頂へ至るルート（平元新道）。約3時間15分。
平標登山口から鉄塔、松手山を経て山頂へ至るルート。約3時間10分。
谷川岳方面（東側）から: 仙ノ倉山頂から約1時間。
三国峠方面（南側）から: 三国峠から三国山、三角山を経て平標山の家へ至るルート。約3時間15分。

過去の遭難事例

1950年11月には、東芝山岳部と三井鉱山山岳部の合同パーティ6名が山頂付近で遭難し、5名が死亡する事故が発生しました。道迷いや装備不足、天候の急変などが複合的に重なったことが原因とされています。この事故を教訓に、道標の整備や避難小屋の建設が進められました。

1957年5月には、群馬県の山岳会所属の3名が遭難し、1名が命を落としました。雨天の中での強行、疲労の蓄積などが原因と考えられます。

2015年7月にも、体調不良による遭難が発生しています。

これらの事例から、平標山の登山には十分な準備と注意が必要であることがわかります。

安全のための注意点

天気予報の確認: 山の天気は変わりやすいので、出発前に必ず最新の天気予報を確認しましょう。
適切な装備: 防寒具、雨具、食料、水、地図、コンパス、ヘッドライトなど、必要な装備を忘れずに準備しましょう。
無理のない計画: 体力や経験に合わせて、無理のない登山計画を立てましょう。
体調管理: 登山中はこまめに休憩を取り、体調の変化に注意しましょう。
道迷い防止: 地図をよく確認し、道標を見落とさないようにしましょう。
緊急時の連絡手段: 携帯電話や無線機など、緊急時の連絡手段を確保しましょう。

周辺の山と河川

山: 仙ノ倉山、万太郎山、谷川岳、一ノ倉岳、茂倉岳、三国山、稲包山、上ノ倉山、忠次郎山、上ノ間山、白砂山
河川: 清津川、赤谷川

アクセス

車: 関越自動車道湯沢インターチェンジから国道17号経由で約30分。
* バス: 越後湯沢駅から南越後観光バス「浅貝・プリンスホテル線」に乗車、「平標登山口」バス停下車、約40分。

平標山は、美しい自然と手軽に登れる山として人気がありますが、過去には痛ましい遭難事故も発生しています。安全に登山を楽しむために、十分な準備と注意を心がけましょう。

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