弘川寺

弘川寺（ひろかわでら）

弘川寺は、大阪府南河内郡河南町弘川に位置する真言宗醍醐派の寺院です。竜池山という山号を持ち、本尊は薬師如来。大阪府指定記念物（史跡）および大阪みどりの百選にも選定されており、特に西行法師が最期を迎えた地として広く知られています。

歴史

寺伝によれば、弘川寺は天智天皇4年（665年）に役小角によって創建されたと伝えられています。その後、天武天皇5年（676年）には、この寺で祈雨法が修められ、天武天皇から山寺号を賜ったとされています。

平安時代の弘仁3年（812年）には、空海（弘法大師）によって中興されました。文治4年（1188年）には、空寂という僧が後鳥羽天皇の病気平癒を祈願し、その功績により天皇の病が回復。その報いとして、奥の院である善成寺が建立され、寺号の勅額を賜りました。

翌文治5年（1189年）には、空寂を慕って西行法師がこの寺を訪れ、ついにこの地で生涯を閉じました。

寛正4年（1463年）には、河内守護の畠山政長が当寺に本陣を構え、畠山義就が立て籠もる嶽山城を攻めるという出来事がありました（嶽山城の戦い）。しかし、逆に本陣である当寺が攻撃を受け、善成寺もろとも伽藍が焼失してしまいます。その後、復興され、江戸時代の寛延年間（1747年 - 1750年）には歌僧の似雲がこの寺を訪れ、西行堂を建立しています。

境内

弘川寺の境内には、以下のような堂宇や施設があります。

本堂：寺の中心となる建物で、本尊の薬師如来が安置されています。
大師堂：弘法大師を祀るお堂です。
護摩堂：護摩祈祷を行うための建物です。
鐘楼：時を告げる鐘が設置されています。
鎮守堂：八所権現を祀っています。
西行堂：西行法師を祀るお堂です。
西行墳：西行法師の墓。
似雲墳：歌僧、似雲の墓。
本坊、客殿、庫裏：寺の住居空間です。
庭園：四季折々の美しい景色が楽しめます。
海棠：樹齢350年の海棠は大阪府指定天然記念物です。
西行記念館：西行法師に関する資料を展示しています。

文化財

弘川寺には、数々の文化財が所蔵されています。

重要美術品
正親町天皇宸翰古歌御懐紙
大阪府指定有形文化財
木造空寂上人坐像
木造弘法大師坐像
木造扁額
大阪府指定史跡
弘川寺境内
大阪府指定天然記念物
弘川寺の海棠

札所

西国薬師四十九霊場
第13番 禅林寺 - 第14番 野中寺
河内飛鳥古寺霊場
第12番 瀧谷不動明王寺 - 第14番 高貴寺
役行者霊蹟札所
河内飛鳥七福神（大黒天）

交通アクセス

* 近鉄長野線富田林駅から4市町村コミバス「河内（弘川寺）」行で終点下車、徒歩約200m。

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