張 (姓)

張(ちょう)について



張(ちょう)は、中国語圏で非常に一般的な姓の一つであり、そのルーツは古代中国に遡ります。漢字の「張」は「弓を引く」様子を表しており、武術や狩猟に関わる意味合いも持っています。この姓は中国だけでなく、朝鮮半島やベトナムにも広がり、それぞれの地域で独自の歴史と著名な人物を輩出してきました。

中国における張姓



中国では、王、李に次いで3番目に多い姓であり、2020年の国勢調査によると、約9575万人もの人々がこの姓を名乗っています。これは、中国の総人口の約6.78%を占める大きな割合です。北京語では、同音の「章」と区別するために「弓に長の張」と呼ばれることもあります。

また、張姓は非常に一般的なため、「張三李四」という熟語も存在します。これは、「どこにでもいるようなありふれた人々」を指す言葉で、張姓の多さを象徴しています。

中国における著名な人物



張姓からは、歴史上の様々な分野で活躍した人物が数多く輩出されています。以下にその一部を紹介します。

張儀:戦国時代のの宰相。
張良前漢初期の軍師。
張騫前漢の外交官、探検家。
張衡後漢時代の政治家、天文学者、数学者、発家。
張機(張仲景)後漢時代の医師。
張飛:三国時代の蜀漢の武将。
張遼:三国時代の曹魏の将軍。
張居正代の政治家
張作霖:中華民国初期の軍閥指導者。
張大千近代中国の書画家。

朝鮮半島における張姓



朝鮮半島にも張姓が存在し、韓国では「チャン」、北朝鮮では「チャン」または「チャ」と発音されます。韓国では、いくつかの氏族に分かれており、特に仁同張氏が最も多いとされています。

朝鮮半島における著名な人物



朝鮮半島でも、歴史的な人物から現代の著名人まで、多くの張姓の人々が活躍しています。

張緑水李氏朝鮮時代の三大悪女の一人。
張成沢:北朝鮮の政治家
張勉大韓民国の国務総理。
張東健:韓国の俳優。
チャン・グンソク:韓国の俳優、歌手。
チャン・ウォニョン:韓国のアイドルグループIZONE,IVEのメンバー。


ベトナムにおける張姓



ベトナムでは、張姓は「チュオン」と発音され、これもまた一般的な姓の一つです。

ベトナムにおける著名な人物



張氏容:広南国主阮福濶の正室。
チュオン・タン・サン:ベトナムの政治家
チュオン・ゴック・アイン:モデル、女優、歌手

日本における張姓



日本では、「ちょう」や「はり」と読むことがあり、近年では徳島県山口県神奈川県などで見られることがあります。戦国時代には毛利氏に仕えた武士である張元至もいました。また、実業家の張富士夫も張姓です。

まとめ



張姓は、中国、朝鮮半島、ベトナムなど、東アジア地域において非常に一般的な姓であり、それぞれの地域で独自の歴史と文化を形成しています。この記事を通して、張姓の広がりと、その歴史的背景について理解を深めていただければ幸いです。

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