得栄県

得栄県（デロン）：峡谷に抱かれた四川省の秘境

得栄県は、中国四川省カンゼ・チベット族自治州の南西端に位置する県です。面積は州内で最も小さい2,916平方km、人口は約2万人と少数ですが、多様な民族が共存する地域として知られています。県名である「デロン」はチベット語で峡谷を意味し、その名の通り、険しい地形が特徴です。

地理：高山と峡谷が織りなす景観

得栄県は、東と南を雲南省シャングリラ市、西を金沙江を隔てて雲南省徳欽県、北をカンゼ州の郷城県と巴塘県に接しています。金沙江の深い谷と沙魯里山脈の連なる高山が織りなす地形は、変化に富んでいます。最高峰の嘎金雪山は海抜4,921mに達し、谷底との標高差は約3,000mにもなります。この標高差が、多様な生態系を育んでいます。

民族構成：多様な文化が共存

人口の約4分の3をチベット族が占めていますが、漢族、イ族、回族、羌族など、多様な民族が暮らしています。それぞれの民族が独自の文化や伝統を守りながら共存しており、多様な文化が体験できます。

産業：農業と手工業が中心

得栄県の主な産業は農業と手工業です。穀物の栽培に加え、各種果物や薬草も産出されます。林業や鉱業も盛んで、豊かな自然資源が活用されています。近年では、観光業も発展しつつあり、手つかずの自然を求めて多くの観光客が訪れています。

交通：アクセスは困難

得栄県へのアクセスは容易ではありません。険しい山道が続くため、移動には時間がかかります。しかし、その分、手つかずの自然が残されており、秘境としての魅力を持っています。

医療：

得栄人民医院が存在します。

その他

得栄県は、四川料理と深い関わりがあります。また、四川盆地、成都平原、チベット高原といった地域にも隣接しています。過去には四川大地震、四川地震 (2013年)といった自然災害も経験しています。管轄区域は重慶市・四川省・雲南省・貴州省に及ぶ在重慶日本国総領事館も重要な役割を果たしています。

得栄県は、その美しい自然景観と多様な文化が魅力の地域です。観光地としてのポテンシャルを秘めており、今後の発展が期待されています。

参考資料

得栄県人民政府HP（中文）
得榮县 - 甘孜藏族自治州 - 地理 - 巴蜀网

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