カンゼ・チベット族自治州

カンゼ・チベット族自治州（甘孜藏族自治州）

カンゼ・チベット族自治州は、中華人民共和国四川省に位置する自治州です。チベット語で「白く美しい」を意味する「カンゼ（dkar mdzes）」が語源で、中国語名の「甘孜」はその音写です。

概要

カム地方の東部に相当し、中国語ではカム地方全体を「康」と略称することがあります。州都の康定（カンディン）は、「カムの地を平定する」という意味を持ちます。カム地方の人々は「カムパ」と呼ばれ、東はアバ・チベット族チャン族自治州、雅安市、南は涼山イ族自治州、雲南省のデチェン・チベット族自治州と接し、西はチベット自治区のチャムド地区、北は青海省の玉樹チベット族自治州、ゴロク・チベット族自治州と隣接しています。

州内には沙魯里山脈、大雪山脈などの高い山脈が連なり、雅礱江が中央を流れています。1950年代には、中国共産党によるチベット併合を巡り、カム反乱が起こりました。

歴史

1725年：雍正帝によるチベット分割で、この地のチベット人諸侯の所領が四川省に編入されます。
1905年-1910年：四川総督の趙爾豊が軍を率いてこの地を占領し、チベットのガンデンポタンを解体しようとしました。
1912年-1933年：辛亥革命により趙爾豊の事業は頓挫し、ガンデンポタンがチベットの独立を目指して東進、この地は中国とチベットの争奪戦の舞台となりました。
1936年：長征中の中国共産党が、各地のチベット人に「チベット人政府」を樹立させます。
1939年：中華民国国民政府がカム全域を領域とする西康省を発足させます。
1950年：中華人民共和国が西康省蔵族自治区を設置します。
1955年：西康省とチベット族自治区を廃止し、四川省に併合、「カンゼ・チベット族自治州」となります。

民族

チベット族：康定市以西の山地を中心に居住。
漢族：主に瀘定県に集中し、康定市、丹巴県、九竜県に雑居。
イ族：九竜県及び瀘定県磨西鎮。
回族：各地に散居するが、康定市に比較的多い。
チャン族：丹巴県。

行政区画

1県級市と17県を管轄しています。

康定市（ダルツェド）：州都。チベットと中国の交易の中継地として栄えました。チベット寺院、モスク、キリスト教会があります。
瀘定県（チャクサム）：瀘定橋が名所。
丹巴県（ロンタク）：ギャロン・チベット族が居住。
九竜県（ギェスル）
雅江県（ニャクチュ）
道孚県（タウ）：西夏の末裔と言われる人々が住んでいます。
炉霍県（タンゴ）：ダンゴ・ゴンパがあります。
甘孜県（カンゼ）：カム北部の中心地。
新竜県（ニャロン）
徳格県（デルゲ）：デルゲ・バルカンがあります。
白玉県（ペユル）：カトク･ゴンパ、ペユル・ゴンパがあります。
石渠県（セルシュル）：セルシュル・ゴンパがあります。
色達県（セルタル）：ラルンガル僧院があります。
理塘県（リタン）：ダライ・ラマ7世、10世の出身地。
巴塘県（バタン）
郷城県（チャクテン）
稲城県（ダプパ）
得栄県（デロン）：自治州で一番小さな県。

交通

航空：ダルツェムド空港、稲城亜丁空港
道路：雅葉高速道路、G317国道、G318国道、G350国道

出身人物

亜東
alan

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