御長広岳

御長 広岳（みなが の ひろおか）

御長広岳は、平安時代初期に活躍した貴族で、その氏は「御中」とも表記されます。彼は知太政官事である舎人親王の孫で、また池田王の子としての系図を持っています。官位は従四位下で、勲等は勲五等にもかかわらず、その名は歴史に残るものとなりました。

経歴

御長広岳の生涯は、天平宝字7年（763年）から始まります。彼の父である池田親王が、凶賊関係の母親を持つ五名の子女が皇籍を剥奪され、その結果、戸籍が無くなることを懸念して、御長真人という姓を賜与されることを願い、それが許可されました。この時、広岳もまた御長真人の名を与えられたとされています。

延暦15年（796年）の5月、広岳は送渤海使として任命され、渤海国へ向かう重要な役割を担います。式部大録の桑原秋成と共に、渤海へ向かい、呂定琳という使者と共に品々を届けました。無事に任務を終えた際には、渤海国の王からの申し出を受けましたが、日本の朝廷からの許可が下りていないため、これを辞退しました。その後、彼は朝廷に復命し、昇叙されて従五位下に叙爵されます。

延暦18年（799年）、広岳は大学助に任命され、京官へと移り、その後も昇進を続け、正五位下へと昇ります。桓武朝の末期である延暦25年（806年）には左中弁に任命され、同年の3月には桓武天皇の葬儀で御装束司を務め、その責任を果たしました。

平城朝では、宮内大輔や左中弁を歴任し、大同5年（810年）に発生した薬子の変に際しては、嵯峨天皇を支持しました。広岳は従四位下に叙せられ、小野岑守や坂上広野と共に近江国に派遣され、乱後には伊勢守へと転任しました。多くの官職を歴任し、彼の歩みはその後の歴史に大きな影響を与えることとなりました。

弘仁8年（817年）3月27日、広岳は69歳でこの世を去りました。彼の最終的な官位は散位従四位下であり、彼の人生を振り返ると、数々の栄誉や責任を果たしたことが見て取れます。

官歴

広岳の官歴は以下の通りです。

• - 天平宝字7年（763年）8月19日：賜姓（御長真人姓）
• - 時期不詳：正六位上、上野介
• - 延暦15年（796年）5月17日：送渤海客使、10月4日：従五位下
• - 延暦18年（799年）4月1日：大学助
• - 時期不詳：正五位下
• - 延暦25年（806年）2月16日：左中弁、3月18日：御装束司（桓武天皇葬儀）
• - 大同3年（808年）8月3日：宮内大輔、8月22日：左中弁
• - 大同5年（810年）9月10日：従四位下、9月16日：伊勢守

系譜

御長広岳の父は池田王で、母は不詳です。彼には生母不明の子女がおり、その中には御長広道という息子もいます。

広岳の生涯は、平安時代における貴族の生活や、当時の政治動向を反映したものであり、彼の業績や役割は日本の歴史において重要な位置を占めています。

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