池田王

池田王の生涯と経歴

池田王（いけだおう、生没年不詳）は、奈良時代に生きた皇族で、天武天皇の孫として知られています。彼は舎人親王の四男であり、時代背景において重要な役割を果たしました。彼の官位は三品で、糾政尹を歴任していることからも、その地位が窺えます。

経歴の詳細

池田王は天平7年（735年）に無位から従四位下に昇進し、これは二世王の蔭位によるものでした。そして、天平勝宝6年（754年）には19年ぶりに再び昇叙され、従四位上の位にまで達します。このように彼は、さまざまな官職を歴任してきました。

その後、彼は畿内巡察使や弾正尹という重要な役職に就任しますが、天平勝宝9年（757年）には、皇太子道祖王が廃位された際、その後の後継者として摂津大夫の文室珍努や左大弁の大伴古麻呂から推挙されました。しかし、孝謙天皇からの評判は今一つであり、孝行に欠けるとの理由で退けられ、彼の弟である大炊王（後の淳仁天皇）が皇太子に選ばれることとなりました。

池田王は、その後も正四位上・刑部卿に叙任されます。天平宝字2年（758年）には淳仁天皇の即位に伴い従三位に昇進し、翌年には淳仁天皇により兄弟として親王宣下を受け、三品に叙されました。また、天平宝字3年（759年）には糺政尹に任命されています。

少し後の時間、天平宝字7年（762年）に池田王は、母親が橘奈良麻呂の乱に関与した一族であったことから、以前に皇族籍を剥奪されていた自身の子女5名に対し、御長真人姓の下賜を申し出て許可されるという出来事もありました。このように、池田王は常に社会情勢や家族の事情に翻弄される存在でした。

藤原仲麻呂の乱とその後

天平宝字9年（764年）、藤原仲麻呂の乱が勃発します。池田王は仲麻呂とは直接的には行動を共にしなかったものの、事前に彼と接触し馬を集めて謀反の計画を相談していたとされ、この事が原因で皇族から他の王に戻され、土佐国へ流罪という厳しい処分を受けることとなりました。彼の波乱の生涯もここで一つの大きな転機を迎えることになります。

官歴

池田王の官歴は以下のように記されています。

• - 天平7年（735年）4月23日: 従四位下
• - 天平勝宝6年（754年）: 正月16日 従四位上
• - 7月20日: 造山司
• - 11月1日: 畿内巡察使
• - 天平勝宝8年（756年）: 講梵網経の元興寺使
• - 天平勝宝9年（757年）: 正四位上・刑部卿
• - 天平宝字2年（758年）: 従三位
• - 天平宝字3年（759年）: 親王宣下・三品・糾政尹
• - 天平宝字4年（760年）: 山作司
• - 天平宝字8年（764年）: 土佐国流罪

彼の経歴や官職は、当時の政治や社会にどのように影響を与えたかを考える上で興味深いものとなっています。池田王の一生は、波乱万丈でありながらも、歴史の一片を形作る重要な存在であったことを物語っています。

もう一度検索