徳格県

徳格県（デルゲ）

徳格県（とくかく-けん、デルゲ、デゲ、sde dge）は、中国四川省カンゼ・チベット族自治州の北西部に位置する県です。デルゲはチベットのカム地方における文化の中心地であり、ラサやラプラン寺のある夏河と並び、チベット全体の文化を代表する場所の一つです。この地には重要な寺院が数多く存在し、農業、牧畜業、畜産品の製造、薬草の採取などが主な産業となっています。

地理

徳格県は、四川省の北西部に位置し、チベット高原の一部を占めています。周囲を山々に囲まれ、豊かな自然環境を有しています。

歴史

デルゲは、中国（四川省）とチベットを結ぶ茶馬古道の重要な通過点として栄えました。ここでは、デルゲ王（デルゲ土司）が支配するデルゲ王国という小王国が存在し、古くから独立志向が強い地域でした。7世紀には、吐蕃王朝から追放されたガル一族がこの地を根拠地としました。1448年には、初代デルゲ王ボタル・タシ・センゲと行者タントン・ギャルポがサキャ派の寺院であるデルゲ・ゴンチェンを創建しました。18世紀には、ダライ・ラマ7世が一時的に亡命していた時期もあります。また、18世紀のデルゲ王テンパ・ツェリンは、チベット大蔵経のデルゲ版を完成させるという偉業を成し遂げました。

宗教

徳格県には、経典を印刷するデルゲ・バルカン（徳格印経院）があります。1729年に創建されたこの建物は4階建てで、僧侶たちが現在も多くの経典や注釈を木版印刷で彫り続けています。デルゲ・バルカンをはじめ、各寺院に保管されている木版は、チベットの重要な文化遺産であり、仏教研究上も非常に貴重な資料です。また、僧院や寺院が多く、特にデルゲ・バルカンの近くにあるサキャ派の中心となるデルゲ・ゴンチェン（デルゲ寺、ゴンチェン寺、Dege Gonchen）や、ゾンサル寺（ゾンサル・ゴンパ、Dzongsar）、ペルプン寺（パプン寺、パルプン寺、Palpung Monastery, Babang）などが有名です。

デルゲは、僧院などを通じてチベット医学が伝えられてきた地でもあり、チベット医学の中の「南派チベット医薬」の主要な発祥地の一つです。著名なチベット医学病院なども立地しています。

行政区画

（行政区画に関する詳細な情報は省略）

交通

道路
国道
G317国道

健康・医療・衛生

德格県人民医院

関連項目

四川料理
四川盆地、成都平原、チベット高原
四川大地震、四川地震 (2013年)
在重慶日本国総領事館（管轄区域：重慶市・四川省・雲南省・貴州省）

脚注

（脚注に関する情報は省略）

外部リンク

徳格県人民政府HP（中文）
格萨尔的故里－－德格县－－简介
Dzongasr Tibetan Medical Institute
History of Dzongsar Gonpa
* デルゲ印経院とデルゲ土司に見る中国共産党のチベット政策

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