慶應義塾大学仏教青年会

慶應義塾大学佛教青年會について

慶應義塾大学佛教青年會（以下、仏青）は、1890年（明治23年）10月25日に創設された、慶應義塾大学で最も歴史のある文化団体の1つです。創設当初は「土曜会」または「三田仏教会」と称し、現在では「仏青」「ブッセイ」の愛称で親しまれています。

歴史

戦前

仏青は、慶應義塾に学んだ僧侶の指導のもと、仏教保護の観点から設立されました。浄土真宗出身の福澤諭吉が福沢家で行っていた法話を基盤とし、明治維新後のキリスト教流入に対抗し、日本の国体を守る目的がありました。曹洞宗大学学長の丘宗潭や丸山孫蔵らが中心となり、三田北寺町西蓮寺での内会を経て創立されました。牟田舗麿、西山是端、大久良俊、川瀬良丸、高木義菩、龍澤哲、南荘隆成、中山了運、梅原融、有川貞憲、斎藤教聞、能海寛、桑門環、菅学応、弓削俊證、阿部彗水、華園敷江、吉野精順、樹谷淳孝、石堂文英、佐藤俊龍、藤田順道、推尾朝麿、白川謙致らが創立会員として名を連ねました。

また、真宗大谷派の僧侶で真浄寺住職の寺田福寿を迎え、泉岳寺で定例会を開催しました。1892年4月8日には、日蓮宗大学同窓会と合同で「釈尊降誕会」を慶應義塾演説館で盛大に開催し、小幡篤次郎、釈雲照、島地黙雷、山下利助らが講演を行いました。この活動は1899年に「三田仏教会」と改称した後も継続されました。その他にも、聖誕記念宣伝協賛会や仏教文化三聖記念講演会などを開催しました。

仏青は、『宇宙の光』、『仏教』、『公孫樹』、『いづみ』などの月刊機関紙を発行し、慶應義塾の学生だけでなく、地方でも広く読まれました。安藤栄吉、川合貞一、富士川游、木村泰賢、加藤咄堂、河口慧海、岩谷耕二、丸山興憨ら、慶應義塾大学の教授陣の支援を受け、太平洋戦争前には「汎太平洋仏教青年大会」にも参加しました。

戦後

1955年（昭和30年）、仏青は活動を再開し、朝比奈宗源、椎尾弁匡、増谷文雄、紀野一義らを講師として招きました。また、大正末期から顧問を務める友松円諦の指導のもと、「世界仏教徒会議」にも参加しました。1958年（昭和33年）、慶應義塾創立100周年を記念して、武見太郎らOBの尽力により、日吉キャンパスに坐禅堂を備えた「仏教青年会館」が竣工しました。

「仏教青年会館」落成後から始められた坐禅の実践は、現在に至るまで仏青の活動の中心となっています。定期的にOB会による同窓会や親睦会も開催されています。

歴代幹部

顧問：友松円諦（全日本仏教会創立者）
幹事：安藤栄吉
顧問：武見太郎（世界医師会会長、国柱会顧問）

関連人物・出身者

柴田一能 - 教授
白川謙致 - 講師
清水静文 - 教授
丸山興憨 - 専務
河口慧海 - 講師
安陪恵水 - 東本願寺総長
河合了勝 - 開教使
伊藤園定 - ハワイ開教使、第二代ハワイ開教総監
中野三憲 - OB・大阪府泉北郡南王子村長、青年同志会メンバー
岡田幸三郎 - OB・日本砂糖工業社長
萩原吉太郎 - OB・北海道炭礦汽船社長

参考文献

慶應義塾史事典編集委員会編『慶應義塾史事典』慶應義塾大学出版会、2008年
『慶應義塾仏教青年会百年史』 1990年
『三田仏教の福音』

外部リンク

慶應義塾大学公認学生団体仏教青年会
慶応義塾大学仏教青年会のブログ
[ステンドグラス] 草創期の課外活動をみる　～高まる革新気運の中で～(URL)
いづみ : 慶応義塾仏教青年会々誌 - CiNii 雑誌(URL)
慶應義塾仏教青年会 (keiobussei) - Facebook

もう一度検索