抗日音楽330曲集

『抗日音楽330曲集』

『抗日音楽330曲集』は、ノ・ドンウンによって編纂され、2017年に民族問題研究所から発行された楽曲集です。この集は、朝鮮王朝の末期から日本統治時代の終了にかけて、日本の侵略に対抗するテーマで作られたさまざまな音楽、すなわち軍歌、革命歌、闘争歌、愛国歌、啓蒙歌、望郷歌、追悼歌などを含んでいます。また、アメリカ合衆国をはじめとする朝鮮以外の地域で創作された楽曲も多数収められており、これまであまり知られていなかった貴重な作品も発見されています。

特に、2019年1月27日にはソウル市教育庁が1919年の三・一運動からちょうど100年を迎える日に、この楽曲集をから1300校の学校に無料配布することを決定しました。この取り組みは、若い世代に抗日精神についての教育を行う重要な指針となるものでした。

収録曲の特徴

この楽曲集には、330曲の音楽が年代別に収められています。その内訳は以下の通りです。

• - 1860年代 - 1900年代: 83曲
• - 1910年代: 68曲
• - 1920年代: 72曲
• - 1930年代: 63曲
• - 1940年代: 44曲

収録されている楽曲の多くは、既存の旋律を利用したものです。例えば、朝鮮の伝統的な旋律「アリラン」や、欧米の音楽「オールド・ラング・サイン」に抗日的な歌詞を付けた楽曲も見られます。これに加え、「鉄道唱歌」や「軍艦行進曲」、「ハイカラ節」といった日本の音楽の旋律を採用した作品も存在します。

この楽曲集に含まれる歌詞の中で、最も多く貢献したのは独立運動家の安昌浩であり、彼に加えて李範奭、李容俊、金昌満、金学奎といった他の著名な作詞家も活躍しています。さらに、李正浩や金仁湜などの作曲家も数多くの作品を手掛け、作曲者としての名を残しています。

この楽曲集は、音楽を通じて朝鮮の歴史や国民の抗日精神を伝える貴重な文化財であり、民族のアイデンティティを形作る一翼を担っています。これをきっかけに、今日に生きる私たちは、先人たちの苦労や誇りを感じ取ることができるでしょう。

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