撫遠市

撫遠市（ふえん-し）

撫遠市は、中華人民共和国黒竜江省ジャムス市に位置する県級市であり、ロシアとの国境に面した戦略的に重要な地域です。かつては綏遠県と呼ばれ、この地が永遠に平穏であることを願って「撫遠」と名付けられました。市人民政府は撫遠鎮に所在しています。

地理

市の南東から北東にかけては、アムール川（黒竜江）の支流であるウスリー川（烏蘇里江）が流れ、ロシア連邦ハバロフスク地方との国境を形成しています。この地域はハバロフスク地方の中心都市ハバロフスクを含むハバロフスク地区に隣接しています。また、北西から北東にかけてはアムール川がロシア・ハバロフスク地方のアムールスク地区との国境となっています。

歴史

撫遠市の歴史は清朝時代の1909年（宣統元年）に遡ります。当時、綏遠州が設置されたのが始まりです。中華民国成立後の1913年（民国2年）に綏遠県と改編され、1929年（民国18年）に現在の撫遠県に改称されました。

行政区画の変遷としては、当初は吉林省に属していましたが、1945年（民国34年）に合江省、1949年に松江省を経て、1954年に黒竜江省に移管されました。そして、2016年1月13日に県級市に昇格し、現在に至ります。

行政区画

現在、撫遠市は以下の5鎮、5郷を管轄しています。

鎮: 撫遠鎮、寒葱溝鎮、濃橋鎮、烏蘇鎮、黒瞎子島鎮
郷: 通江郷、濃江郷、海青郷、別拉洪郷、鴨南郷

交通

交通インフラも整備されており、前撫線の前進鎮駅から169.4kmの区間が2011年12月6日に開通しました。これにより、撫遠駅は中国最東端の駅となりました。

航空: 撫遠東極空港
鉄道: 中国国家鉄路集団、中国鉄路ハルビン局集団公司
前撫線（ジャムス方面）- 前鋒駅 - 東二道河駅 - 寒葱溝駅 - 撫遠東駅 - 撫遠駅
道路:
高速道路: 建黒高速道路
省道: 210省道、306省道

健康・医療・衛生

市民の健康を支える医療機関として、以下の施設があります。

撫遠市人民医院
撫遠市中医院

その他

撫遠市は、酸菜、ハルビンビール、東北菜といった食文化や、アムール川（黒竜江）、松花江などの自然環境にも恵まれています。また、闖関東という歴史的な背景も有しています。

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