新中小国信号場

新中小国信号場

新中小国信号場は、青森県東津軽郡外ヶ浜町字蟹田小国に位置する、北海道旅客鉄道（JR北海道）北海道新幹線・海峡線、および東日本旅客鉄道（JR東日本）津軽線の信号場です。ここでは、信号場内にある北海道新幹線・海峡線の共用区間始点、大平分岐部についても解説します。

概要

在来線では中小国駅から大平駅方向に約2.3km、大平駅から約1.3kmの地点に位置し、新幹線では新青森駅起点28.890km、東京駅起点702.713km地点にあります。この信号場は、津軽線・海峡線・北海道新幹線の施設上の境界点であり、JR北海道が管轄・管理する停車場としては最南端に位置します。また、在来線としての所属線は開設以来、津軽線ではなく海峡線となっています。

津軽線は当信号場を境に青森駅方面が電化、三厩駅方面が非電化となっています。ただし、津軽線電化区間の大部分が交流20,000V・50Hzで電化されているのに対し、信号場構内の電化部分は北海道新幹線開業後、海峡線・北海道新幹線と同一の交流25,000V・50Hzで電化されています。

また、海峡線を走行する在来線列車は、当信号場で信号・保安装置の切り替えを行います。

歴史

1988年3月13日：北海道旅客鉄道（JR北海道）海峡線（津軽海峡線）中小国駅 - 木古内駅間開業に伴い、施設上の分界点として東日本旅客鉄道（JR東日本）津軽線の中小国駅 - 大平駅間に設置されました。中小国駅 - 当信号場間は海峡線と津軽線の重複区間となり、当信号場がJR北海道・JR東日本の施設上の境界点となります。電化（交流20,000V・50Hz）されている海峡線にあわせ、津軽線を含む青森駅 - 当信号場間が電化開業しました。
2016年3月22日：北海道新幹線の開業に伴う地上設備切り替えにより、以下のとおり変更されました。
当信号場青森方 - 海峡線・江差線（→道南いさりび鉄道線）木古内駅五稜郭方間について、架線電圧を交流25,000V・50Hzに昇圧。
海峡線の自動列車保安装置を北海道新幹線と同一のDS-ATCに変更。
2016年3月26日：北海道新幹線 新青森駅 - 新函館北斗駅間が開業し、新幹線の信号場として供用開始。海峡線の当信号場 - 木古内駅間の82.1km区間が三線軌条（標準軌1,435mm・狭軌1,067mm）による新幹線・在来線の共用区間となりました。
2022年8月3日~:津軽線の線路設備が大雨により被災したため、津軽線蟹田~三厩間運休。これにより、これ以降この信号場を通過するのは貨物列車と臨時旅客列車のみとなりました。

信号場構造

在来線側

在来線側は東西に構内が伸びており、北側3線が海峡線（電化）、南側1線が津軽線（非電化）となっています。海峡線では長大な貨物列車（コキ車20両編成）が運転されるため、構内有効長が非常に長いです。

海峡線は上下線 + 中線（待避線）の「複線待避形」であり、かつ奥津軽いまべつ方が複線、中小国方が単線の「複線始終端形」という構造です。一方、津軽線側は大平方に分岐器はなく、中小国方で海峡線が単線に収束された後に津軽線へ合流するという、単純な「分岐形」の構造です。そのため、津軽線の列車同士の交換・待避は不可能です。

新幹線側（大平分岐部）

海峡線は津軽線から分岐後、上下線が離れながら北へ進路を変え、南から来る北海道新幹線上下線の外側にアプローチし、大平トンネル新青森方坑口内にある大平分岐部（新青森起点29.404km）で合流します。なお、新幹線としての信号場の停車場中心は、前述のように分岐部より新青森寄りの新青森駅起点28.890kmとされています。

大平分岐部 - 木古内分岐部（木古内駅構内扱い、新青森起点111.445km地点）間の82.041km区間は、三線軌条（標準軌1,435mm・狭軌1,067mm）による新幹線・在来線の共用走行区間となっています。このため、北海道新幹線列車は当信号場から木古内駅まで、青函トンネル内を除いた最高速度が140km/h（青函トンネル内は通常時160km/h、高速運転実施時260km/h）に制限されています。

信号場周辺

青森県道12号鰺ケ沢蟹田線
津軽線大平駅：大平分岐部に至近
上小国会館：津軽線との分岐部に隣接（外ヶ浜町循環バスの停留所があります）

隣の施設

北海道旅客鉄道（JR北海道）
北海道新幹線：新青森駅 - （新中小国信号場（大平分岐部）） - 奥津軽いまべつ駅
海峡線（定期旅客列車の運行は無し）：蟹田駅 - 中小国駅 - （新中小国信号場） - （大平分岐部） - （奥津軽いまべつ駅）
東日本旅客鉄道（JR東日本）
■津軽線：中小国駅 -（新中小国信号場） - 大平駅

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