新納忠秀

新納忠秀（初代）

新納忠秀（にいろ ただひで）は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけての武将で、薩摩国島津氏の家臣として知られています。新納忠元の家臣であり、その勇猛さで数々の戦で活躍しました。

生涯

新納忠秀は、新納康久の子として生まれました。『本藩人物誌』によると、新納氏の庶流である新納伊勢守康久の三男で、同じく庶流の新納忠貞の養子になったとされています。若年の頃から新納忠元に仕え、各地の戦で功績を上げました。

天正5年（1577年）、日向伊東氏の家臣で野尻城主であった福永祐友が島津氏に寝返ると、忠秀は高原城から野尻城に移り、在番の一人となりました。天正8年（1580年）には、忠元が相良氏の朴河内城を攻めた際、坂元源二郎と共に城内に潜入して偵察を行い、その後の攻撃では合志玄宅という敵を討ち取りました。天正14年（1586年）には、川内勘右衛門が鎌田長継の家来を殺害して肥後国へ逃亡する事件が発生すると、忠秀はこれを追跡し討ち果たしました。

天正15年（1587年）の豊臣秀吉による九州平定の際、豊後国から撤退する忠元の帰路を確保するため、忠秀は先陣を切って敵を打ち破りました。さらに、八代からの撤退時には、伊集院肥後守や桂山城守と殿（しんがり）を争いましたが、忠秀がその役を任じられ、争った両人の旗を預かって殿を務めました。文禄・慶長の役にも参加し、朝鮮から帰国後は納殿役となりました。寛永17年（1640年）に亡くなりました。嫡男の甚右衛門兼康は肝付氏の養子となり、その21代当主となったため、忠秀の名跡は二右衛門久親が継承しました。

新納忠秀（二代目）

新納忠秀（にいろ ただひで）は、江戸時代前期の武士で、薩摩藩士として活躍しました。初代の忠秀と同名ですが、別人です。

生涯

元和3年（1617年）、新納忠元の孫である新納忠光の婿養子、新納忠清の嫡男として生まれました。寛永4年（1627年）、初代藩主・島津家久の加冠により元服しました。

慶安3年（1650年）、琉球で病死しました。享年34歳でした。

参考文献

『本藩人物誌』
鹿児島県史料集（13）（鹿児島県史料刊行委員会）


新納忠秀は、同名で二人の人物が存在します。初代は戦国時代から江戸時代初期にかけて武将として活躍し、二代目は江戸時代前期に薩摩藩士として活動しました。初代は数々の戦で武功を上げ、二代目は藩主の加冠を受けて元服するなど、それぞれ異なる生涯を送りました。二人の新納忠秀は、いずれも新納家の歴史において重要な役割を果たしました。

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