福永祐友

福永祐友：戦国乱世を生き抜いた武将

福永祐友（ふくなが すけとも）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将です。当初は日向伊東氏の家臣として、日向国諸県郡野尻城主を務めていましたが、後に島津氏に仕えることとなりました。

日向伊東氏の衰退と福永祐友の苦悩

元亀3年（1572年）、祐友が仕える日向伊東氏は木崎原の戦いで島津氏に大敗を喫しました。この敗戦を機に、伊東氏の勢力は急速に衰退していきます。天正4年（1576年）には、島津義久率いる大軍によって高原城が陥落。さらに、小林城や須木城の城主が島津氏に寝返り、三ツ山城や野首城といった重要な拠点も次々と島津氏の支配下に入りました。

これにより、祐友が守る野尻城は、島津氏領との最前線に位置することになり、伊東氏にとって極めて重要な拠点となりました。祐友は主君である伊東義祐に対し、この危機的な状況を打開するよう何度も訴えましたが、義祐の側近である佞臣によってその訴えは握りつぶされてしまいます。この状況は、祐友にとって大きな苦悩であったでしょう。

島津氏への転身とその後

さらに追い打ちをかけるように、高原城主となった島津氏家臣の上原尚近が、祐友が島津氏に内通しているという偽の書状を佐土原城下に流しました。この偽情報によって、義祐は祐友を疑い始めます。追い詰められた祐友は、天正5年（1577年）12月7日、やむを得ず島津氏の兵を城内に引き入れ、島津氏に与することとなります。

島津氏の家臣となった祐友は、後に加治木に移り住みました。彼の息子である宮内少輔は岩屋城攻めに参加し、負傷しています。また、祐友の娘は、旧島津氏当主である島津勝久の長男、島津忠良入道休庵（島津忠康、島津貴久の父である島津忠良とは別人）の妻となりました。さらに、宮内少輔の子で祐友の孫にあたる筑後守は、加治木島津家開祖である島津忠朗の家臣となり、47石を知行しています。

子孫の繁栄

福永祐友の子孫は、加治木郷士として存続し、その家系は『本藩人物誌』が作成された当時も加治木に存在していました。祐友は、時代の大きな変化の中で、その身を翻弄されながらも、最終的には子孫の繁栄に繋がる道を切り開いたと言えるでしょう。

まとめ

福永祐友は、戦国時代の激動の中で、主君を二度変えるという苦渋の決断を迫られました。しかし、その決断は、結果として一族の存続と繁栄に繋がりました。彼の生涯は、戦国武将の生き様を象徴するものであり、多くの人々に語り継がれるべき歴史の一ページと言えるでしょう。

参考文献

• - 『鹿児島士人名抄録』高城書房
• - 今吉忠義『戦国の流転　福永丹波守祐友物語』（1996年　本多企画）

もう一度検索