日吉町神之川

日吉町神之川（ひよしちょうかみのかわ）

概要

日吉町神之川は、鹿児島県日置市に位置する地域です。旧薩摩国日置郡伊集院郷に属し、その歴史は鎌倉時代にまで遡ります。かつては下伊集院村の一部でしたが、町村合併を経て現在の日置市の一部となっています。地域内には国道270号が通り、二石、潟山といった集落が存在します。人口は少ないながらも、豊かな自然と歴史が息づく地域です。

地理

日置市の中部に位置し、神之川の河口部にあります。北は東市来町南神之川、南は日吉町日置、東は日吉町山田と隣接し、西は東シナ海に面しています。地域内を国道270号が南北に走り、交通の便も比較的良いと言えます。

歴史

神之川の成立と中世

神之川の地名は、鎌倉時代から確認されています。「伊集院由緒記」には「平神之川」という記述があり、これが現在の日吉町神之川の前身とされています。平とは、神之川の左岸地域を指し、江戸時代の伊集院郷神之川村の区域にあたります。

近世の神之川

江戸時代には、薩摩国日置郡伊集院郷に属していました。村高は時代によって変動し、「由緒再撰調」では194石余、「天保郷帳」及び「郡村高辻帳」では179石余、「旧高旧領取調帳」では197石余と記録されています。村内には諏訪大明神社が鎮座しており、明治14年時点での戸数は177戸、人口は792人でした。

特筆すべき点として、神之川を挟んで北側に位置する市来郷神之川村（現在の東市来町神之川）とは、村名が同じでも、江戸時代から別の村として扱われていました。このため、町村制施行時には、それぞれ別の自治体に属することになりました。

町村制施行以降

1889年（明治22年）の町村制施行により、旧神之川村を含む地域は下伊集院村となりました。その後、1956年（昭和31年）に下伊集院村が分割され、神之川の一部は日吉町に編入されました。この際、地理的、風俗習慣、血縁関係の深い二石、湯山地区が日吉町に編入されたことが特筆されます。これにより、日吉町の人口と面積が増加し、町議会議員も増員されました。

この編入に伴い、小学校の校区も変更され、それまで神之川小学校に通っていた地域は、東市来町に編入されたため、日吉町立日新小学校の通学区域となりました。中学校は編入前から日置村立日置中学校（現在の日置市立日吉中学校）への委託が行われていました。

2005年（平成17年）には、日吉町が伊集院町、吹上町、東市来町と合併して日置市が成立しました。合併に際し、大字名は旧町名を冠する形に変更され、日吉町神之川となりました。

小字

日吉町神之川には、以下のような多くの小字が存在します。
上細ノ地、中細ノ地、迫平、古手、上塩屋、石ノ岡、後久保、外原、下外原、上池ノ平、久保池、大原、小原、下堀、小丸、手ノ口、迫目、松添、桑牟田、鳥越、坂元、坂平、堂地畑、出口、井手川、二ツ石、池ノ平、北迫、奥山、鶴ケ迫、脇ノ田、山畑、西ノ俣、東俣、松坂、塩鶴、白坂、薗木、後平、前平、山之口、天上馬場、松原、町原木場、海道口

人口

1995年以降の人口推移を見ると、小地域集計が開始されてからの人口は減少傾向にあります。

教育

小・中学校の学区は以下の通りです。

• - 小学校：日置市立日新小学校
• - 中学校：日置市立日吉中学校

交通

• - 道路：国道270号

参考文献

• - 角川日本地名大辞典編纂委員会『角川日本地名大辞典 46 鹿児島県』角川書店、1983年。
• - 芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』平凡社、1998年。
• - 日吉町郷土誌編さん委員会『日吉町郷土誌 下巻』日吉町長 野元春男、1988年。
• - 鹿児島県総務部参事室『鹿児島県市町村変遷史』鹿児島県、1967年。

関連項目

• - 神之川（曖昧さ回避ページ）
• - 下伊集院村

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