日本の漫画賞

日本の[[漫画]]賞について

日本の[[漫画]]賞は、大きく分けてプロの漫画家を対象とした「漫画賞」と、新人漫画家の発掘を目的とした「新人賞」があります。

漫画賞

プロの漫画家を対象とした漫画賞は、主に以下のものがあります。

文藝春秋漫画賞（1955年 - 2002年、文藝春秋主催）: ギャグ漫画や4コマ漫画を対象としたユニークな賞でしたが、2002年に廃止されました。
小学館漫画賞（1955年 - 、小学館主催）: 漫画出版大手である小学館が主催し、自社系列の出版社の作品が受賞することが多いです。
日本[[漫画家協会]]賞（1975年 - 、日本[[漫画家協会]]主催）: 日本[[漫画家協会]]の会員である漫画家によって選出され、ベテラン作家の作品が受賞する傾向があります。
講談社漫画賞（1977年 - 、講談社主催）: 小学館漫画賞と同様、大手出版社の講談社が主催し、自社系列の作品が受賞することが多いです。
星雲賞コミック部門（1978年 - 、日本SF大会主催）: SFや伝奇作品を対象としています。
文化庁メディア芸術祭マンガ部門（1997年 - 、文化庁主催）: その年に発表された優れた作品を表彰する賞で、審査員は主に漫画家で構成されています。
手塚治虫文化賞（1997年 - 、朝日新聞社主催）: 文化庁メディア芸術祭マンガ部門と同様に、その年の優れた作品を顕彰する賞ですが、審査員は評論家や作家が中心です。
全国書店員が選んだおすすめコミック（2006年 - 、日本出版販売主催）: 書店員による投票で選ばれる賞です。
マンガ大賞（2008年 - 、マンガ大賞実行委員会主催）: 書店の漫画担当者などの有志によって選定されます。
次にくるマンガ大賞（2014年 - 、niconico、ダ・ヴィンチ共催）: 読者参加型の賞で、インターネットでのエントリーと投票によって決まります。コミックス部門とWEBマンガ部門があり、書籍化5巻以内の作品が対象です。
みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞（2017年 - 、TSUTAYA主催）:
電子コミック大賞（2018年 - 、コミックシーモア主催）:

これらの賞の中でも、小学館漫画賞と講談社漫画賞は、大手出版社が主催するため、自社系列の出版社の作品が受賞する傾向が強く、日本[[漫画家協会]]賞は、ベテラン作家の作品が受賞する傾向が強いです。また、手塚治虫文化賞と文化庁メディア芸術祭マンガ部門は、その年に発表された最も優れた作品を顕彰することを目的としていますが、審査員の構成に違いがあります。

新人賞

新人賞は、新人漫画家の発掘を目的としており、各雑誌が独自の賞を設けている場合が多いです。出版社が主催するものもあります。新人賞は年に数回行われることがほとんどです。以下に主な新人賞を挙げます。

手塚賞（週刊少年ジャンプ・ジャンプSQの2誌合同、集英社）: 少年漫画（ストーリー漫画）が対象。
赤塚賞（週刊少年ジャンプ・ジャンプSQの2誌合同、集英社）: 少年漫画（ギャグ漫画）が対象。
JUMP新世界漫画賞（週刊少年ジャンプ、集英社）: 少年漫画が対象。
週刊少年マガジン新人漫画賞（週刊少年マガジン、講談社）: 少年漫画が対象。
月マガ新人[[漫画賞]]グランドチャレンジ（月刊少年マガジン、講談社）: 少年漫画が対象。
小学館新人コミック大賞（小学館）: 児童漫画・少年漫画・少女、女性漫画・青年漫画が対象。
まんがカレッジ（週刊少年サンデー、小学館）: 少年漫画が対象。
週刊少年チャンピオン新人まんが賞（週刊少年チャンピオン、秋田書店）: 少年漫画が対象。
ちばてつや賞（週刊ヤングマガジン・モーニング、講談社）: 青年漫画が対象。
アフタヌーン四季賞（月刊アフタヌーン、講談社）: 青年漫画が対象。
MANGA OPEN（モーニング、講談社）: 青年漫画が対象。
MANGAグランプリ（週刊ヤングジャンプ、集英社）: 青年漫画が対象。
ミラクルコミック大賞（ミラクルジャンプ、集英社）: 青年漫画が対象。
新人コミックオーディション（ビッグコミックスペリオール、小学館）: 青年漫画が対象。
ビッグコミック＆ビッグコミックオリジナル青年漫画賞（ビッグコミック・ビッグコミックオリジナル、小学館）: 青年漫画が対象。
イキマン（月刊IKKI、小学館）: 青年漫画が対象。
金のティアラ大賞（集英社の少女・女性漫画雑誌8誌合同）: 少女、女性漫画が対象。
白泉社アテナ新人大賞（花とゆめ・別冊花とゆめ・LaLa・MELODYの4誌合同、白泉社）: 少女[[漫画]]が対象。
なかよし新人まんが賞（なかよし、講談社）: 少女[[漫画]]が対象。
角川漫画新人大賞（月刊少年エースほか、角川書店）: 一般漫画が対象。
コミックブレイド漫画大賞NEO（月刊コミックブレイド、マッグガーデン）: 一般漫画が対象。
エンターブレインえんため大賞（コミックビーム、エンターブレイン）: 一般漫画が対象。
ネクスト大賞（NextComicファースト、宙出版）: WEB漫画が対象。
アックスマンガ新人賞（アックス、青林工藝舎）: 特殊漫画が対象。
シリウス新人賞（月刊少年シリウス、講談社）: 一般漫画が対象。


これらの新人賞は、漫画家としてのキャリアをスタートするための重要な登竜門となっています。

新人賞が抱える問題点

新人賞は、新人の発掘を目的としていますが、漫画産業の発展という観点から見ると、いくつかの問題点が指摘されています。

1. 作風の類似化: 応募者は、その雑誌の読者であることが多いため、連載されている漫画家に影響を受け、作風が似通ってしまう傾向があります。
2. 即戦力重視: 商業誌は、斬新で実験的な漫画よりも、人気が出る可能性の高い漫画を入選させる傾向があり、新人漫画家の創造性を阻害する可能性があります。
3. 応募の偏り: 応募者は、マイナーな雑誌よりも、メジャーで人気の高い雑誌に偏って応募する傾向があります。
4. 作風の矯正: 新人賞を受賞しデビューしても、編集者によって作風を矯正させられる場合があり、作家の個性が失われる可能性があります。

これらの問題点を克服するためには、出版社や編集者が新人漫画家を「実力主義」の名目で使い捨てにせず、先行投資として大切に育成していく必要があると考えられています。

国際漫画賞

漫画は、日本、アメリカ、ヨーロッパなど、各文化圏で独自の発展を遂げているため、世界各地に様々な賞が存在します。ここでは、主な国際漫画賞をいくつか紹介します。

国際漫画賞（外務省）
読売国際漫画大賞（読売新聞社）: 1コマ漫画が対象。
モーニング国際新人漫画賞（モーニング、講談社）
サイレントマンガオーディション（月刊コミックゼノン ノース・スターズ・ピクチャーズ（コアミックス））: サイレント漫画が対象。
アングレーム国際漫画祭（アングレーム市）

これらの国際漫画賞は、漫画文化の多様性を促進し、世界中の漫画家が互いに刺激し合う場となっています。

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