日本囲碁ジャーナリストクラブ賞

日本囲碁ジャーナリストクラブ賞は、囲碁界における報道の専門家集団である日本囲碁ジャーナリストクラブによって選出される、非常に名誉ある賞です。この賞は、囲碁に関する情報を発信する新聞の担当記者たちで構成されるクラブの会員が投票を行い、その年の囲碁界において顕著な功績を残した個人、団体、または出来事に対して贈られます。

1983年に創設されて以来、毎年年末に選考が行われ、受賞者の発表は囲碁界内外から大きな注目を集めています。この賞の特筆すべき点は、単に棋士の成績だけでなく、囲碁の普及や発展に貢献した人物や活動も評価の対象となることです。そのため、棋士だけでなく、囲碁に関する著述家、イベント организаторы、あるいは革新的な取り組みを行ったプロジェクトチームなども受賞の対象となり得ます。

過去の受賞者には、加藤正夫、藤沢秀行、武宮正樹、趙治勲といった、日本囲碁界を代表する著名な棋士たちが名を連ねています。また、林海峰、坂田栄男など、囲碁史に名を残す巨匠たちも受賞しており、その顔ぶれの豪華さがこの賞の重みを物語っています。近年では、井山裕太が複数回受賞しており、その圧倒的な実力と人気を改めて示しています。また、梅沢由香里のように、囲碁の普及に大きく貢献した人物が受賞していることも、この賞のユニークな点です。

2012年には、囲碁AIのZenが受賞し、人工知能が囲碁界に与えた影響の大きさを象徴する出来事となりました。さらに、クラウドファンディングを活用した13路盤トーナメント戦の企画者である政光順二が受賞するなど、新しい試みが評価される傾向も見られます。2016年には、AlphaGo開発チームが受賞し、囲碁AIの進化が囲碁界に与えた衝撃を改めて印象付けました。2019年には、仲邑菫が史上最年少プロ棋士としてデビューしたことが評価され受賞しています。

日本囲碁ジャーナリストクラブ賞は、単なる棋戦の勝利数だけでなく、囲碁界全体の発展に寄与した功績を称える賞として、その存在意義を高めています。この賞の歴史を振り返ることは、そのまま現代囲碁史を辿ることにも繋がると言えるでしょう。

歴代受賞者一覧

1983年（第1回） 加藤正夫
1984年（第2回） 藤沢秀行
1985年（第3回） 武宮正樹
1986年（第4回） 趙治勲
1987年（第5回） 安倍吉輝
1988年（第6回） 林海峰
1989年（第7回） 宮崎志摩子
1990年（第8回） 坂田栄男
1991年（第9回） 白江治彦
1992年（第10回） 菊池康郎
1993年（第11回） 三堀将
1994年（第12回） 石田芳夫
1995年（第13回） 柳時熏
1996年（第14回） 小林光一
1997年（第15回） 大竹英雄
1998年（第16回） 工藤紀夫
1999年（第17回） 趙善津
2000年（第18回） 山下敬吾
2001年（第19回） ほったゆみ、小畑健、梅沢由香里
2002年（第20回） 小林覚
2003年（第21回） 王銘琬
2004年（第22回） 張栩、小林泉美
2005年（第23回） 小林覚
2006年（第24回） 大淵盛人
2007年（第25回） 梅沢由香里
2008年（第26回） 井山裕太
2009年（第27回） 井山裕太、石井邦生
2010年（第28回） 坂井秀至
2011年（第29回） 張栩
2012年（第30回） Zen
2013年（第31回） GO・碁・ジャパン
2014年（第32回） 政光順二
2015年（第33回） 石倉昇
2016年（第34回） アルファ碁開発チーム
2017年（第35回） 井山裕太
2018年（第36回） 万波奈穂
2019年（第37回） 仲邑菫
2020年（第38回） 藤沢里菜
2021年（第39回） 藤沢一就
2022年（第40回） 香山由志子
* 2023年（第41回） 大橋拓文、吉原由香里、風間隼

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