日本囲碁大系

日本囲碁大系

『日本囲碁大系』は、筑摩書房が1975年から1977年にかけて刊行した、囲碁の古典棋士たちの打碁を集大成した書籍です。総編集は林裕が担当しました。1992年には再刊されており、囲碁史研究において重要な位置を占めています。

概要

本書は、本因坊道策、本因坊秀策をはじめとする、江戸時代から明治時代にかけて活躍した著名な棋士たちの棋譜を網羅的に収録しています。単なる棋譜の羅列ではなく、当時の囲碁界の状況や棋士の人物像、打ち方の特徴などが詳細に解説されており、囲碁史の研究資料として非常に価値の高い内容となっています。現代の棋士の棋譜を扱ったものとしては、姉妹書として『現代囲碁大系』が刊行されています。

筑摩書房からは、囲碁版の『日本囲碁大系』と並行して、1978年から1980年にかけて『日本将棋大系』も刊行されています。

内容

各巻には、複数の棋士の棋譜が収録されており、それぞれ著名な棋士や研究者による解説と執筆が加えられています。以下に、収録棋士と解説者・執筆者のリストを示します。

算砂・道碩（解説：岩本薫、執筆：山本有光）
算悦・算知・道悦（解説：趙治勲、執筆：秋本悦士）
道策（解説：呉清源、執筆：三堀将）
道的・名人因碩（解説：大平修三、執筆：広瀬保博）
道知（解説：坂田栄男、執筆：藤三男）
察元・烈元・因淑（解説：加藤正夫、執筆：水口藤雄）
親仙徳・大仙知（解説：大竹英雄、執筆：酒巻忠雄）
元丈（解説：武宮正樹、執筆：竹田雅一）
知得（解説：島村俊廣、執筆：本田順英）
丈和（解説：藤沢秀行、執筆：相場一宏）
幻庵因碩（解説：橋本宇太郎、執筆：志智嘉九郎）
元美・俊哲・仙得（解説：梶原武雄、執筆：伊藤敬一）
松和・雄蔵（解説：橋本昌二、執筆：橋本篤慶）
秀和（解説：杉内雅男、執筆：小堀啓爾）
秀策（解説：石田芳夫、執筆：田村孝雄）
秀甫（解説：林海峰、執筆：井口昭夫）
秀栄（解説：高川格、執筆：村上明）
秀哉（解説：榊原章二、執筆：田中宏道）

意義

『日本囲碁大系』は、現代において入手が困難となっている古典棋士の棋譜を、体系的に学ぶことができる貴重な資料です。当時の棋譜を研究することで、現代囲碁の源流を探り、より深い理解を得ることができます。また、解説も第一人者が執筆しており、単なる棋譜集以上の価値があります。

囲碁愛好家、囲碁史研究者にとっては必携の書と言えるでしょう。

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