日本英文学会

日本英文学会：英語研究を牽引する歴史ある学術団体

日本英文学会は、英語圏文学、英語学、そして英語教育に関する研究を専門とする学者たちが集う、由緒ある日本の学術団体です。1917年、東京帝国大学英文学会として創設され、以来、日本の英語研究の進歩に多大な貢献を果たしてきました。

学会の起源と発展

学会は、1917年、東京帝国大学を拠点に「東京帝国大学英文学会」として発足しました。初代会長には市河三喜が就任し、会誌『日本英文学』の創刊とともに本格的な活動をスタートさせました。創刊号には、斎藤勇や土居光知といった当時の著名な研究者の論文が掲載され、大きな注目を集めました。

しかし、1923年の関東大震災により活動は一時中断を余儀なくされます。その後、1925年に活動を再開、1929年には名称を「日本英文学会」へと改称し、東京帝国大学以外の帝国大学の英文学・英語学者も参加する組織へと発展していきました。

現在も毎年全国大会を開催しており、研究発表や議論の場を提供し続けています。会誌『英文学研究』は、かつては季刊発行でしたが、現在は年1回の発行となっています。1981年から2012年までは、東京大学の教授が会長職を務める時代が続きました。

歴代会長と学会の指導

日本英文学会の会長は、日本の英語研究を代表する第一人者たちが歴任してきました。その中には、東京大学、東北帝国大学、京都帝国大学、早稲田大学など、名だたる大学に所属した著名な教授が含まれます。以下に歴代会長の一部を挙げ、学会の発展に貢献した彼らの功績の一端を紹介します。

1930-1935： 市河三喜（東京帝大教授）
1936-1937： 土居光知（東北帝国大学教授）
1938-1941： 齋藤勇（東京帝大教授）
1942-1943： 石田憲次（京都帝国大学教授）
1946-1950： 福原麟太郎（東京文理科大学教授）
1951-1952： 中野好夫（東大文学部教授）
1952(6月)-1964： 中島文雄（東大文学部教授）
1964(7月)-1970： 平井正穂（東大文学部教授）
1971-1975： 青木雄造（東大文学部教授）
2000-2007： 高橋和久（東大文学部（人文社会系研究科）教授）
2007-2009： 大橋洋一（東大人文社会系研究科教授）
2017-2021：原田範行（東京女子大学教授、慶應義塾大学文学部教授）
* 2021-： 服部典之（大阪大学名誉教授、関西外国語大学教授）

これらの会長をはじめ、多くの会員の尽力によって、日本英文学会は、英語研究の拠点として、日本の学術界に確固たる地位を築き上げてきました。

学会の活動と将来展望

日本英文学会は、会誌の発行、全国大会の開催以外にも、様々な活動を通じて、英語研究の発展と普及に貢献しています。研究者間の交流促進、若手研究者の育成、国際的な学術交流など、幅広い活動が展開されています。

今後、グローバル化が加速する中で、英語の重要性はますます高まることが予想されます。日本英文学会は、時代の変化に対応しながら、英語研究の新たな地平を切り開くべく、活動を継続していくことでしょう。学会の今後の発展に期待が高まります。

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