日野重子

日野重子とは

日野重子（ひの しげこ）は、室町時代中期に生きた女性で、日野家という名門の出身です。彼女は、室町幕府の6代将軍・足利義教の側室となり、その後、7代将軍となる足利義勝と、8代将軍となる足利義政という二人の将軍を産みました。彼女の生涯は、室町幕府の政治と深く関わり、特に夫の死後、幼い息子たちを支え、幕政に大きな影響を与えました。

生涯

日野重子は、応永18年（1411年）に日野重光の子として生まれました。兄には日野義資がおり、その孫には日野勝光や日野富子がいます。また、義教の正室である宗子は姉であり、烏丸資任は従弟にあたります。

永享6年（1434年）に足利義勝を、永享8年（1436年）に足利義政を出産しました。嘉吉の乱で夫である義教が殺害された後、重子は幼い義勝と義政を補佐し、幕政に関与することになります。通常、幼い将軍の後見は前将軍の正室が務めるものとされていましたが、姉である宗子は義教の存命中に離縁され出家しており、次の正室である正親町三条尹子も義勝の養母でありながら、夫の死後すぐに剃髪したため、結果として生母である重子がその役割を担うこととなりました。

その後、重子は義政から寵愛を受けていた乳母である今参局と対立します。今参局が畠山徳本と連携したのに対抗し、重子は細川勝元と結びました。今参局は、義政の正室である富子の産んだ子が早世したのは彼女の呪詛によるものとされ、流刑に処された後、長禄3年（1459年）に自害させられます。この事件は、富子の指示によるものとも、重子の指示によるものとも言われています。

重子は寛正4年8月8日（1463年9月20日）に亡くなりました。彼女の死に伴い、斯波義敏と畠山義就が赦免されています。

関連作品

日野重子を題材とした作品として、以下のものがあります。

テレビドラマ『幻花』（NET、1977年） - 三益愛子が演じました。
NHK大河ドラマ『花の乱』（1994年） - 京マチ子が演じました。

これらの作品を通じて、彼女の生涯や人物像が描かれています。

まとめ

日野重子は、室町時代中期という激動の時代に、将軍の母として、また政治家として重要な役割を果たしました。彼女の生涯は、当時の社会情勢や人間関係を深く理解するための貴重な視点を提供してくれます。

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